現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年06月04日

メルマガVol.798「マンデラの名もなき看守」★★★


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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_                    ________
  Vol.798「マンデラの名もなき看守」★★★  2008.5.23(金)
 ̄                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   人種隔離政策下の南アで、黒人政治犯の看守になった男が、
   悪化する治安のなかで、次第に黒人への理解を深めていく。

  【2】Michelin
   有楽町、池袋、渋谷での3館上映。そんなに混んでません。

  【3】Review
   一市民が歴史に関わっていく様子は秀逸。やや型どおりか。

  【4】Column
   誰もが歴史に関わることができる。何かを犠牲にすれば。

_____________________________________________Goodbye Bafana

「恋に落ちたシェイクスピア」以来、こっそり恋人と逢うのが
得意なジョゼフ・ファインズが、今回は監獄の看守になります。
誰とこっそり逢うのかと思ったら、何とネルソン・マンデラ。
これは南アフリカを描く、本当にシリアスな社会派映画ですね。

<オフィシャルサイト>
http://mandela.gyao.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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人種隔離政策下の南ア。黒人の言葉を話せるという看守の男が、
黒人政治犯のトップ、マンデラの担当に。彼はその能力を活かし、
面会や手紙を監視するが、治安が次第に悪化していくなかで、
マンデラへの理不尽な迫害に、身近な矛盾を感じてもいた…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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有楽町、池袋、渋谷での3館上映です。
そんなに混んでいないと思います。
どこも同じような規模の映画館ですから、
お好きなところへどうぞ。

▼有楽町 シネカノン有楽町1丁目
10:30/13:10/15:50/18:30〜20:45(終)

▼池袋 シネ・リーブル池袋
11:15/13:40/16:05/18:30〜20:35(終)

▼渋谷 シネマGAGA!
5/23(金) 10:30/13:00/15:30/18:00/20:30〜22:45(終)
5/24(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★
スタッフ  :★★★

>テーマ ★★★★★<
1人の人間が、どのようにして歴史に携わることができるか、
それは何を引き起こすか、他とは違う視点で描いた姿勢が面白い。

>ストーリー ★★<
型どおりに家族が転落していく前半は、物語の出口が見えず退屈。
にわかに場面が転換してから、物語としてのリズムが出てくる。

>キャスト ★★<
ジョゼフ・ファインズは、男のほぼ一生を演じているワケだが、
何だかずっと変わらないような…。マンデラもこんな人だっけ?

>スタッフ ★★★<
当時の南アを、ある白人家庭がどのように過ごしていたのか、
生活者としての視点が非常に新鮮で、分かりやすく描かれている。

>総評 ★★★<
内容としては、とても感心しました。
映画としては、ちょっとイマイチなんですが。

ある一市民が、どうすれば歴史に関われるのか。
当時の南アフリカで、白人の一般家庭が、
どんな暮らしをして、アパルトヘイトをどう感じていたか、
非常に身近なところに視点を持って、歴史の転換を描いている。

このあたりは非常に興味深いし、面白かったのですが。
どうも映画としては、前半がちょっと型どおりすぎて、
予想どおりに転落していく家族に、目が当てられない…。

後半はいろんな事件が起きて、ちょっと展開しますが。
いい話だけに、もう少し何とかならなかったかなあ。
ジョゼフ・ファインズは、確かに演技しているんだけど、
そもそもこの人、やっぱり表情が変わらないんだよな…。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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歴史は決して教科書で読むものではなく、
私たち全ての人々が、参加しているものである。

本当は、いまを生きるすべての人々が、
歴史の一部として、描かれる理由がある。
しかし、残念ながら歴史書は有限であり、
細かく記載されるのは、時代の変化だけである。

社会を大きく変えていく出来事だけが、
その出来事を支えてきた人々だけが、
偉大な歴史の1ページに、刻まれる名誉に値する。
そのことは昔も今も、あまり変わってはいない。

南アフリカで看守を務める、平凡な男。
美しい妻がいて、2児の父である。
何の変哲もない男だ。コーサ語が話せる以外は。

彼はアパルトヘイト政策の支持者である。
黒人は誰もが、テロリストだと思っている。
看守として命令を果たし、囚人を見張り、
いつか昇進して、生活が楽になればいいと思っている。

このままなら彼は、誰もが知らずに終わっただろう。
そんな人間は、当時のこの国に何万人もいたはずだ。
そんな人物について、ページを割ける歴史書は少ない。

しかし、彼はコーサ語が話せたのだ。
あのマンデラと、身近にコミュニケイションがとれた。
そして彼は自分が、見張っている囚人について、
あまりに何も知らないことに、がく然とする経験をした。

普通の政治的主張をしているだけの男。
その男に、社会は何と痛ましい犠牲を強いることか。
自由を奪い、尊厳を奪い、国家は家族まで奪おうとする。

バスでは黒人たちが後ろに押し込められている。
道ばたでは、黒人たちが警官に殴られている。
子どもたちは泣く。どうしてこんなことになる?
大人は答えられない。なぜ黒人がテロリストなのかを。

一介の人間として、彼はマンデラに同情した。
するとどうだろう、今度は彼の生活まで、
社会によって、奪われていくことになった。

昇進は見込めず、仕事内容は厳しくなり、
友人もいなくなり、家族は迫害を受ける。
社会に刃向かう人間に、はねかえる仕打ちは厳しい。

社会を変える人間は、社会に楯突く人間だ。
つまり、歴史を変えていく人間は、
その社会によって、必ず犠牲を強いられる。

名もなき看守でさえ、犠牲を払った。
まして、マンデラが失ったものはどれほどか。
そして、多くの黒人たちが失ったものは、どれほどか。

しかし、犠牲なくしては社会は変えられない。
その覚悟がなければ、歴史に名を残すことはできない。
マンデラを見張る、ほんの小さな仕事でしかない。
けれども、歴史に加わることの、いかに大変なことか。

他にも、多くの偉人が歴史書には描かれている。
その偉人たちの周りには、もっと多くの人々がいて、
それなりの犠牲を強いられ、それでも生きていたのだ。

そんな視点を持つことができれば、
いまを生きる自分も、少しは変われる気がする。
少しでもいまという歴史を、よりよくしたいと思うなら。

2008/5/22 シネリーブル池袋にて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「アフタースクール」……………………………………

「運命じゃない人」の内田けんじ監督による、3年ぶりの新作。
今回も大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人ら、ちょっとクセモノな
役者たちを揃えて、日常生活がだんだんずれていく内容らしい。
きっと練られたシナリオで、いろいろ仕掛けがあるのでしょう。

で、次回もお楽しみに。次回は火曜の予定。
http://www.after-school.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

来週のもう1本は、ジュリー・デルピーが、
自分で監督し、パリを恋人と旅するという恋愛ドラマ。
要は「ビフォア…」と同じものを自分で撮ったみたいな。
「パリ、恋人たちの2日間」http://www.paris-2days.com/

来月はだいたい、以下のような予定。
最大の話題作はやっぱり「インディジョーンズ」。
相当、混むんだろうなあ…凄そうだなあ…。

そしてオスカー受賞作の「JUNO」。
エレン・ペイジが芸達者だと言うことは、
前作で証明されては、いたわけですが。

個人的に気になるのは、クローネンバーグだなあ。
「イースタンプロミス」は、前作と同じく、
ヴィゴ・モーテンセンと組んだサスペンス映画。
ノワールな雰囲気が、他とは一線を画しそう。

あとは、サラ・ポーリーが監督業に進出して、
いきなりオスカーにノミネートされたという、
「アウェイフロムハー」も、内容が気になるところ。

というわけで、これからもお楽しみに。

「アウェイフロムハー」http://www.kimiomo.com/
「山桜」http://yamazakura-movie.com/
「ぐるりのこと。」http://www.gururinokoto.jp/
「シークレットサンシャイン」
http://www.cinemart.co.jp/sunshine/
「リボルバー」http://www.astaire.co.jp/revolver/
「JUNO」http://movies.foxjapan.com/juno/
「イースタンプロミス」http://www.easternpromise.jp/
「ぼくの大切なともだち」
http://www.wisepolicy.com/mon_meilleur_ami/
「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」
http://www.indianajones.jp/
「西の魔女が死んだ」http://nishimajo.com/
「歩いても 歩いても」http://www.aruitemo.com/
「告発のとき」http://www.kokuhatsu.jp/


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
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メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.798 2008年5月23日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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