現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年05月27日

メルマガVol.796「ブレス」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.796「ブレス」★★★         2008.5.19(月)
 ̄             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   愛のない家庭に絶望し、突然家を出た妻が刑務所へ向かう。
   彼女はニュースに出ていた死刑囚と面会をするのだが…。

  【2】Michelin
   シネマート六本木での単館上映。空いてると思います。

  【3】Review
   「春夏秋冬…」のセルフリメイク。ギドクらしいが難しい。

  【4】Column
   人は誰もが死刑囚である。永遠に自由で、永遠に孤独である。

_____________________________________________________Breath

「悪い男」以来、「サマリア」「うつせみ」と傑作を作り続ける
韓国の鬼才、キム・ギドク監督。今回は主演にチャン・チェン。
最近では呉清源を演じた二枚目俳優が、ギドク作品でどうなるか?
まあ、ギドクは俳優の名前に、あまりこだわりはなさそうですが。

<オフィシャルサイト>
http://www.cinemart.co.jp/breath/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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浮気する夫を横目に、妻は自宅に閉じこもりがち。趣味の陶芸も、
何の楽しみにもならず、彼女は当てもなくタクシーに乗り込む。
たどり着いた刑務所で、彼女はテレビをにぎわせる自殺願望の
死刑囚に、面会を申しこんだ。すると二人は意外なことに…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネマート六本木での単館上映です。
今週まで、池袋でもレイトショーをやってます。
まあ、ここは夜になると本当に治安が悪いので、
若い女性には、オススメできないのですが…。
それは夜の六本木も、似たようなものかな。

空いてると思います。
最近、ギドクの映画も人が入ってないなあ。

▼六本木 シネマート六本木
11:15/13:15/17:15/19:15〜20:50(終)
※5/22(木)は19:15の回休映

▼池袋 シネマ・ロサ
〜5/23(金) 20:30〜22:05(終)


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★<
「春夏秋冬そして春」のテーマを、いまのギドク風にアレンジ
したと思うのだが、やはり難解さは抜けきれていないと思う。

>ストーリー ★★<
ベースを単純な物語に仕立てるのは、最近のギドクの流儀らしい。
予測を立てやすい展開のなか、ユーモアも含めてあっさり終わる。

>キャスト ★★★★<
単純な物語に深みが生まれるのは、人物たちの熱演があればこそ。
家庭と刑務所ではまるで別人になる女の狂気は、美しくも哀しい。

>スタッフ ★★★★<
ギドクらしく、単純な物語に難解なテーマを折り込みながら、
ユーモアを絡めつつ展開させている。ちょっと盛り込みすぎかな。

>総評 ★★★<
やっぱり難しかったですねえ。
「春夏秋冬そして春」は、テーマを純粋に追求して、
現実世界をとっぱらってしまったわけですが。

「うつせみ」「弓」「絶対の愛」と、
最近のギドクは、設定をより単純化して、
現実のなかに彼の深いテーマを、
浮かび上がらせようとしているように思う。

そこで、今回は過去の同じテーマを、
そうした「たとえ話」のような手法で、
半ばセルフリメイクしているようにも思えますが。

あの映画の青年を、死刑囚に置き換えると、
同室の囚人が実は老師に似た存在に見えて、
ほとんど同じ構造が見えてくるんですよねえ。

ただ、もう少し、整理が必要だったような。
愛する者を縛りつけるには、暴力しかない。
でもこれは、きっとキム・ギドクという人には、
「悪い男」から連なる、永遠のテーマなんだろうなあ。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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人は誰もが死刑囚である。

人は生まれたときから、誰もが皆、
地球という名の牢獄に閉じこめられ、
いつ訪れるか分からない、死を待っている。

実際の死刑囚と違うのは、
人々には、自由がある点だ。
人は、自由にどこかで生きて、
自由に誰かを愛することができる。

それは、人の自由だ。
春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来る。
地球という牢獄のなか、めぐりゆく季節。

美しい風景の繰り返しのなかで、人は喜び、
人は自由に誰かを選び、自由に愛することができる。

しかし困ったことに、その愛する人もまた、
誰を愛してもいい自由を、享受しているのだ!

人は、他人を縛りつけておくことができない。
私だけを愛せと、強制することはできない。
自分が、誰かを愛しつづけることもないように。

地球という名の牢獄で生きる人々は、
誰もが自由だが、それゆえに不自由だ。
そこでは、誰かを安心して愛せないから。
愛する人は、いつか私を愛さなくなるから。

そのことに気づいた女は、
この世界が牢獄だと気づいたのだろう。
この広い世界という名の刑務所で、
自分はひとり、孤独に死を待っている。

いっそのこと、相手が死刑囚なら。
その人を、縛りつけておけるのに。
いっそのこと、相手を殺してしまえば。
その人を、安心して愛することができるのに。

お互いを死刑囚と認めあった男女ならば、
何の疑いもなく、交わることができるだろう。
その人は間違いなくそこにいて、私を待っている。
その絶対なる安らぎは、何という穏やかさだろう!

しかし残念ながら、相手はまだ死んではいない。
そして自分もまた、死んではいない。
愛すれば愛するほど、相手の死を望んでおきながら、
自分は生き続けて、自由に相手を愛したいのだ。

何という矛盾。何という罪悪!
この女は、死刑囚ゆえに彼を愛し、
死刑囚ゆえに、生きる喜びを与え、
死刑囚ゆえに、彼を殺したいのだ!

その罪悪と矛盾に、最後に気づいたなら。
刑務所に入る前に、引き返せるかもしれない。

そして、この広い世界という名の牢獄で、
いつ訪れるともしれない執行の時を忘れ、
自由に誰かを愛することの不自由さを、
今度は逆に、喜べるときが、いつか来るのかも知れない。

2008/5/18 池袋シネマロサにて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ブレス」…………………………………………………

トム・ハンクスとジュリア・ロバーツが共演するハリウッド映画。
また大物同士ですが、本当に二人がどれだけ「共演」しているか、
映像を確かめないと分かりません。内容は田舎政治家に扮した
トム・ハンクスが、ちょっと平和に立ち上がるコミカルな社会派。

で、次回もお楽しみに。次回は水曜の予定。
http://www.charlie-w.com/


★今後の予定など………………………………………………………

もう1本は、密会王ジョゼフ・ファインズが監獄の看守に。
監獄は密会じゃなくて面会ですが…相手はネルソン・マンデラ。
もちろん、内容はとてもシリアスな社会派映画のはずです。
「マンデラの名もなき看守」http://mandela.gyao.jp/

その他、今月は以下のような予定。
サラ・ポーリーが監督業に進出して、
いきなりオスカーにノミネートされたという、
「アウェイフロムハー」が、気になるかな。
あとは篠原哲雄監督がまた田中麗奈を起用した時代劇とか。

というわけで、これからもお楽しみに。

「アフタースクール」http://www.after-school.jp/
「パリ、恋人たちの2日間」http://www.paris-2days.com/
「アウェイフロムハー」http://www.kimiomo.com/
「山桜」http://yamazakura-movie.com/


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.796 2008年5月19日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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