現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年05月23日

メルマガVol.794「愛おしき隣人」★★★☆

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_                ____________
  Vol.794「愛おしき隣人」★★★☆     2008.5.13(火)
 ̄                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   自暴自棄な中年女、孤独な音楽隊の男たちなどを中心に、
   日常生活で悲哀を感じるさまざまな場面を、次々と綴る。

  【2】Michelin
   恵比寿ガーデンシネマでの単館上映。空いてます。

  【3】Review
   まさに鬼才。連続する小さな場面に、笑いと哲学がにじむ。

  【4】Column
   世間の風は今日も冷たく、日常のいたるところで吹き荒れる。

_________________________________________________DU LEVANDE

ウェス、ポール・トーマスときて、今度はロイ・アンダーソン。
この人も北欧の「鬼才」らしい。アンダーソンは鬼才の代名詞?
北欧映画といえばカウリスマキを始め、不思議な笑いが多い傾向。
そしてこの映画も、人生の不条理な局面を集めたおかしな群像劇。

<オフィシャルサイト>
http://kittoshiawase.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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自暴自棄な中年女、自室で音楽隊の練習をする孤独な男たち、
憧れのロックミュージシャンと結婚したがる追っかけの女の子、
診療をあきらめた精神科医など、日常生活のさまざまな場面で、
人々が寂しさを吐露する様子を、次々と画面はとらえていく。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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恵比寿ガーデンシネマでの単館上映です。
そんなに混んでないと思います。
ここの水曜日は、男女問わず1000円だそうです。

▼恵比寿 恵比寿ガーデンシネマ
11:00/13:05/15:10/17:15/19:20〜21:10(終)


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★☆

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★★
スタッフ  :★★★★★

>テーマ ★★★★<
個人主義が生み出す、誰とも空間や想いを共有できない孤独と、
それを埋め合わせる他人を省みない人々の欲望を赤裸々に描く。

>ストーリー ★★<
物語は存在せず、日常生活のよくある風景が次々と連なっていく、
どちらかというとショートコント集。最後には意外と感動も。

>キャスト ★★★<
日常感あふれる演出のなかで、個々人には演技力を要求しない。
その辺にいそうな中年の人々の、哀愁をおびた表情が印象に残る。

>スタッフ ★★★★★<
意図的に区切った空間やエレベータなど、装置が孤独を巧みに演出。
ユーモア溢れるエピソードの数々には、作り手の観察眼が光る。

>総評 ★★★☆<
これぞ鬼才だと思います。
個人的にはとても感心しました。

映画というより、日本で言うならコント集のようで、
小さなエピソードの連続が、全体に続くのですが、
それらがあぶり出す社会の構図は、実に哲学的。

個人主義が、どれだけ人々に孤独をもたらしたか、
無慈悲を生み出したか、欲望を優先させてきたか、
ディスコミュニケイションの連続が、乾いた笑いと、
何とも言えない悲哀を、醸し出していきます。

それでいて、単なる悲観主義に陥るわけでもなく、
最後には意外と、あたたかな展開さえ感じさせる。

たぶん、物語を期待した人には、さっぱり期待はずれ。
でも、分かる人には分かる。筆者にはピンと来ました。
アロノフスキーとか、この監督のように、
観客を選ぶような映画作りこそが鬼才、って感じですよね。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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最近、世間の風が冷たくなってきたという。
いったいいつ、人はその「風」を感じるのだろう?

エレベータに駆け寄ったとき、
目の前で、扉を閉められた瞬間か。
好きな人に花束を差し出したのに、
目の前で折られた瞬間か。

確かに、世間の風は冷たい。
ひとり、自室で嘆き悲しんでも、
耳を傾けてくれる人なんていない。

通りがかりの郵便配達人も、
自分の仕事を気にするばかりで、
赤の他人の心配なんて、するわけない。

教会に行っても、ミサが終われば追い出され。
バーに行っても、ラストオーダーで追い出され。
ベッドをともにする夫婦でさえ、
相手が何を考えているかも、気にしていない。

みんな、他人が何を考えているかなんて、
本当に、どうでもいいと思っているんだ。
他人を気にしなくなると、人はどんどん無慈悲になる。
ほんのわずかの罪でも、他人を決して赦さなくなる。

そして、自分の欲望にばかり忠実になる。
金もうけのことしか、考えなくなる。
そいつらから盗むことしか、考えなくなる。
自分の欲望しか、見えなくなってしまうのだ。

いったい、誰がこんな社会にしてしまったのか。
世間の冷たい風は、いまや日常に吹き荒れている。
ちょっとでもモタモタしているような人は、
嵐の夜に、雨宿りもできず、
行列でもどんどん先回りされてしまうのだ。

精神科医さえ、あきらめたくなる世の中。
自分は孤独だと言い、あれやこれが欲しいと言い、
何も手に入らないと嘆き、見向きもされないという。
彼らを治療して、世の中が本当に良くなるのか?

ふと、耐えきれなくて客にこぼす店員。
ふと、耐えきれなくて生徒に慰められる教師。
それでもずっと、耐え続けて生きてると、
ある日、会議の最中にぽっくりと…。

でも、本当に人々は永遠に孤独なままなの?
例えば、結婚式があったとして。
みんなが祝福してくれる、あれは夢なの?

みんなを乗せたアパートという列車が、
進んでいく先には、本当に絶望しかないの?
いつか、この大空をみんなで飛んで、
孤独じゃない自分たちを見つけることはできないの?

少女が夢を語るときに、バーのオジサンが目を拭う。
この映画では、どの場面にも必ず部外者が出てきて、
ちょっとした演出があるのだが、この場面は印象に残る。

そう、何気ない日常に、冷たい風を感じるように。
何気ない日常のどこかに、
人々の温かさも眠っているはずなのだ。

2008/5/13 恵比寿ガーデンシネマにて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ミスト」…………………………………………………

「ショーシャンクの空に」のダラボン監督&キング原作がまた実現。
今回はどちらかというと、パニック映画のような内容らしい。
パニック映画がダラダラしちゃうと、つまらない予感もしますが…。
キャストにはマーシャ・ゲイ・ハーデンら、けっこう地味な選出。

で、次回もお楽しみに。次回は木曜の予定。
http://www.mistmovie.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

次回はいよいよ、キム・ギドク監督の新作が公開に。
主演は、最近では呉清源を演じたチャン・チェン。
国際的な二枚目俳優を擁して、今度はどうするんだろう。
あんまり俳優の名前にこだわらないイメージなのですが。
http://www.cinemart.co.jp/breath/

その他、今月は以下のような予定。
サラ・ポーリーが監督業に進出して、
いきなりオスカーにノミネートされたという、
「アウェイフロムハー」が、気になるかな。

他にも篠原哲雄監督がまた田中麗奈を起用とか。
トム・ハンクスがジュリア・ロバーツと共演とか。
密会王が今度は監獄で男と密会するらしいとか。とか。

というわけで、これからもお楽しみに。

「チャーリーウィルソンズウォー」http://www.charlie-w.com/
「マンデラの名もなき看守」http://mandela.gyao.jp/
「アフタースクール」http://www.after-school.jp/
「パリ、恋人たちの2日間」http://www.paris-2days.com/
「アウェイフロムハー」http://www.kimiomo.com/
「山桜」http://yamazakura-movie.com/


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.794 2008年5月13日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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