現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年05月16日

メルマガVol.791「I'm Not There.」★★☆

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_                _____________
  Vol.791「I'm Not There.」★★☆      2008.5.3(土)
 ̄                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   ギター片手にヒットソングを連発するギタリストたちの、
   社会のレッテルや、ファンの期待への戸惑いなどを描く。

  【2】Michelin
   シネカノン有楽町2丁目、渋谷シネマライズでの2館上映。

  【3】Review
   非常に難解な実験作。名優達がうまく物語を切り分ける。

  【4】Column
   芸術は何を語っているのか。それは誰にも語れないまま。

___________________________________________アイムノットゼア

ボブ・ディランを6人のキャストで多角的に描き出す意欲作。
監督は「ベルベット・ゴールドマイン」のトッド・ヘインズ。
キャストはクリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、そして、
ケイト・ブランシェットと超豪華。ディランに詳しくなれる?

<オフィシャルサイト>
http://www.imnotthere.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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1960年代のアメリカ。ギター片手にフォークソングを歌う少年や、
ロックミュージックへの転向、社会から隠遁生活を送る謎の男、
映画俳優など、シンガーソングライターたちが社会のレッテルや、
ファンの期待に戸惑いながらも、生きていく様子をそれぞれに描く。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

有楽町、渋谷シネマライズでの2館上映です。
そんなに混んでいないので、お好きな時間にどうぞ。

▼有楽町 シネカノン有楽町2丁目
10:00/12:45/15:30/18:20〜20:45(終)
※ 5/9(金)まではレイトショーあり21:05〜23:20(終)

▼渋谷 シネマライズ
11:25/14:15/17:05/19:55〜22:25(終)


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★☆

<内訳>
テーマ   :★★★
ストーリー :★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★<
1人のアーティストを、どのようなカタチで語ればいいのか、
映画的な課題に挑戦していく実験作としては、非常に面白い。

>ストーリー ★<
6人の男たちのエピソードが、細切れに並行していくのだが、
それぞれは物語らしくもなく、ついていくのは非常につらい。

>キャスト ★★★★<
ケイト、ベイル、ヒースらの名優達がシンボルになっているので、
物語の切り分けができている。ケイトは難解な男の素振りを熱演。

>スタッフ ★★★★<
エピソードの羅列を廃して、人物の多彩な本質を描くために、
さまざまな実験を盛り込んだ挑戦は評価できる。疲れますが…。

>総評 ★★☆<
これはとても意欲的な実験映画です。
多くの人にはクエスチョンだろうし、
この映画を通じて、全く何も知らない人が、
ボブ・ディランを理解することは、期待しづらいでしょう。

しかし、これまで多くの伝記映画が、
本人のエピソードを、イタズラに羅列するだけで、
話題になるのは主演俳優の「モノマネ」だけだったり、
どうも、人物を描くという視点が薄くなりがちなところ、
この映画はその本質に深く切り込む点で、興味深い。

今は亡きヒース・レジャーらをスクリーンで観られたり、
ケイト・ブランシェットが難解な口ぶりを演じたりと、
ひとつひとつの場面には見どころも多く、面白いところも。
オススメはできませんが、変わった映画に興味があるなら。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この絵は、何を言いたいのだろう。
この曲は、どんなメッセージがあるのだろう。

どんな作品を目の前にしても、
私はふと、立ち止まって考える。
そこには、何らかの作り手の意図があり、
何らかの目的や、考えがあるのではないかと。

しかし、本当に作り手は、
そこまでのことを考えているのだろうか。

この絵に、重苦しさが漂っているのは、
たまたま選んだ色彩の偶然ではないのか。
この曲に、メッセージを読み取れるのは、
たまたま選んだ言葉の偶然ではないのか。

芸術には、どこまで意図があり、
どこまで偶然が、関わっているのだろう?

もちろん、作り手にはそれなりに、
意図や想いがあるのかもしれない。
しかし、それはどこまで反映され、
そしてどこまで反映できるだろうか?

この映画に出てくる、6人の男たちは、
自分の曲や映画、作品に何を残しているか。
明確に意図があるのは、ギター片手に、
走り回っている少年だけである。

それ以外の男たちは、
どこかで自分に嫌気が差している。
自分というより、社会が求めている、
自分の姿に対して、嫌気が差している。

自分は音楽だけで、社会を変えるわけじゃない。
自分は時代を代表するために、
歌を作って、歌っているわけじゃない。

ボクは、特定の誰かのためだけに、
歌を歌っているワケじゃないんだ。
勝手に期待して、勝手に賞賛して、
勝手に喜ぶのも、けなすのも勝手だが、
ボクの人生は、君たちのものじゃない。

君たちが望んでいる、
ボブ・ディランはそこにいないんだ。
この映画には1人も、ディランは出てこない。
いるとすれば、I'm not there.と語るタイトルだけ。

それでも、評論家や批評家たちは、
芸術作品を観て、メッセージを探るだろう。
難解なパズルのなかに、作り手の意図を、
あぶり出したり、組み合わせたりするだろう。

この映画にも、ディランは1人も出てこない。
けれども、ディランの存在を探ろうとするだろう。
しかし、それは無駄だ。作品と作り手は違う。
芸術は意図だけではなく、偶然のたまものでもある。

だからこそ、芸術家は楽しい仕事であり、
作品から、ディランが誰かとは語れないのだ。
ディランは人間であり、作品ではないのだから。

2008/5/2 渋谷シネマライズにて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「There Will Be Blood」…………………………………

ダニエル・デイ=ルイスのアカデミー賞主演男優賞受賞作。
オスカー関連作品も、これでほぼひと揃いでしょうか。監督は、
「マグノリア」以来の鬼才ポール・トーマス・アンダーソン。
この人の映画は長いイメージしかないんですが…まあ、いいや。

で、次回もお楽しみに。次回は祝日ですが、火曜の予定。
http://www.movies.co.jp/therewillbeblood/


★今後の予定など………………………………………………………

来週の残りは、フランスと北欧のビミョーな群像劇を2本。
前者は「愛する者よ、列車に乗れ」の脚本家によるもの。
後者はオフビートの王国、北欧の鬼才による作品との噂。

「モンテーニュ通りのカフェ」
http://www.montaignecafe-movie.jp/
「愛おしき隣人」http://kittoshiawase.jp/

その他、今月は以下のような予定。
やっぱりキム・ギドクの新作は気になるなあ。
他にも、サラ・ポーリーが監督業に進出とか、
篠原哲雄監督がまた田中麗奈を起用、とか。とか。

というわけで、これからもお楽しみに。

「ブレス」http://www.cinemart.co.jp/breath/
「ミスト」http://www.mistmovie.jp/
「チャーリーウィルソンズウォー」http://www.charlie-w.com/
「マンデラの名もなき看守」http://mandela.gyao.jp/
「アフタースクール」http://www.after-school.jp/
「パリ、恋人たちの2日間」http://www.paris-2days.com/
「アウェイフロムハー」http://www.kimiomo.com/
「山桜」http://yamazakura-movie.com/


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

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ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
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メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.791 2008年5月3日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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