現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年04月16日

メルマガVol.783「悲しみが乾くまで」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.783「悲しみが乾くまで」★★★     2008.4.1(火)
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  【1】STORY
   夫を突然の事故で失い、二人の幼い子どもと遺された妻。
   彼女は逢ったこともなかった夫の親友に、連絡をとり始める。

  【2】Michelin
   有楽町、恵比寿での2館上映。そんなに混んでません。

  【3】Review
   役者も監督もさすがだが、物語は残念ながら平板である。

  【4】Column
   悲しみは通りすぎてゆく。できなかったことは、忘れて。

_________________________________Things We Lost in the Fire

「しあわせな孤独」「アフターウェディング」と、次々とすごい
映画を撮ってきたスサンヌ・ビア監督が、ついにアメリカへ進出。
主演はハル・ベリーとベニチオ・デル・トロ。アメリカ基準での
環境が整ったとはいえ、ハリウッド進出=成功ではないからなあ。

<オフィシャルサイト>
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/things_we_lost_in_the_fire/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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夫を突然の事故で失い、二人の幼い子どもたちと共に遺された妻。
現実を受け入れられず、茫然自失のまま彼女は時を過ごしていく。
やがて、一度も逢ったことのない夫の親友と、連絡をとりはじめ、
彼女はなぜか、その男と一方的に親密になっていくのだが…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネカノン有楽町1丁目、恵比寿ガーデンシネマでの2館上映。
そんなに混んでませんでした。残念ながら。
スサンヌ・ビアの名前は、まだまだ知られていないなあ…。

▼有楽町 シネカノン有楽町1丁目
10:50/13:30/16:10/18:45〜21:00(終)

▼恵比寿 恵比寿ガーデンシネマ
11:30/14:00/16:30/19:00〜21:15(終)


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★★★★
スタッフ  :★★★★★

>テーマ ★★★<
愛する者を失った悲しみを、どのようにして乗り越えていくのか、
テーマとしては陳腐で、残念ながら結末も印象的なものではない。

>ストーリー ★★<
脚本がいつものアンデルス・トーマス・イェンセンではなく、
妻と親友の再生をシンプルに描くだけの展開は、いささか平板。

>キャスト ★★★★★<
平板な物語の裏側にある部分を、ハル・ベリーとデル・トロが、
見事な演技で引きずり出しているので、スクリーンに引き込まれる。

>スタッフ ★★★★★<
手持ちのカメラ、不自然なドアップなどで、日常性をたっぷりに
引き出すスサンヌ・ビアの手腕は、アメリカでも充分に発揮される。

>総評 ★★★<
やっぱり脚本家が違うと、違ってしまうんですかね。

スサンヌ・ビアの作品は、どれも懸命に生きている人が、
努力すればするほど報われない悲しみを描くものですが、
この映画では、そうした「矛盾」があまり感じられません。

もっとシンプルに、愛する者を失った悲しみだけが描かれる。
設定は「ある愛の風景」と似ていますが、展開は単純。
てゆうか、デル・トロは絶対、試験に受かる気配がないし。

もちろん、他の映画とは一線を画すかのように、
愛する者が消えていくという事実の、底知れぬ絶望感を、
いい役者といい監督が、深くえぐり取っていくのですが…。
やっぱりハリウッドじゃあ、ないんじゃないかなあ。。。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

誰も、その悲しみを気にしてはいない。

時折、ガードレールに手向けられている、
小さな花束を、見かけることがある。

きっとここで、ある日、
不幸な事件があったのだろう。
しかし、私には知るよしもない。
多くの人が、その地面の上を通りすぎていく。

誰も、その悲しみを気にしてはいない。

ある人が夫を失い、底知れぬ絶望の淵にある。
葬式の時だけは、多くの人が集まり、
彼女に同情を寄せるが、結局はそれだけだ。

誰も、その悲しみを気にしてはいない。

ある人が麻薬に溺れ、もはや社会復帰も難しい。
最初の頃は、利得を考えて多くの人が力になる。
しかし、カネを出してまで、彼を救おうとはしない。

誰も、その悲しみを気にしてはいない。

多くの人々は、他の人々の悲しみに無関心である。
その悲しみに、関心を持つのは限られた人だけ。
きっと、同じ悲しみを、抱いたことがある人だけ。

夫を失った妻は、現実を未だに受け入れてはいない。
親友を失った男は、ますます麻薬にのめり込んでいく。
二人は、わずかな理性で、相手につながりを求めている。
それは人間との、この正常な社会とのつながり。

けれども、男は夫の代わりになるわけではなく、
その女は、親友のように彼に接するわけでもない。
お互いは、お互いに好意を持ち、善意を与えているが、
やはり、失われた「あの人」に彼がなるわけではない。

愛する人を失うと、思い出されるのは、
幸せな日々ではなく、やり残された出来事である。
もっと、愛する言葉をかけておけば良かった。
あの場所へ行ってみたかった。あの願いを叶えたかった。

それらが、何ひとつできなかった自分。
そんな自分に対する無力感が、日増しに募り、
誰もが立ち入れないその孤独が、心を蝕んでいくのだ。

本当の親友なら。本当に悲しみを知る者なら。
「できなかったこと」ではなく、
「つくりあげてきた幸せ」を伝えなければならない。

彼は、どんな映画が好きだったのか。
彼は、どんな食事が好きだったのか。
お決まりの言葉や、お気に入りの音楽や。

不幸せな現在より、幸せな過去を考えることで、
ようやく人は現実を受け入れ、泣き叫ぶことができる。

その矛盾は、なかなか分かりづらいだろうが、
愛する人の死は、それほどまでに受け入れられず、
あたかも、いまでもその人がそこにいるように思えるのだ。

誰も、その悲しみに、気づくことはできないかもしれない。
でも、いつかは乗り越えていくのだ。
本当に理解ある誰かが、そこにいるなら。

2008/4/1 恵比寿ガーデンシネマにて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ジェリーフィッシュ」…………………………………

イスラエルは、意外といい映画を作ってる映画の国でもあります。
アモス・ギタイや、スピルバーグもユダヤ人なんですよね。
この映画は、カンヌ映画祭の新人監督賞を受賞した映画です。
少女の純真な心が、ちょっとした奇跡を起こす映画、らしいです。

で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.jellyfish-movie.com/


★今後の予定など………………………………………………………

さて、4月は毎年オスカー候補作が目白押しです。
まあ、忘れられないうちに公開したいですもんね。

「つぐない」はキーラ・ナイトレイが、
「プライドと偏見」の監督と再び組んで、
かなり多くの部門でノミネートされていた作品です。

「フィクサー」もそうですね。
ティルダ・スウィントンが助演女優賞を獲りました。
「モンゴル」は浅野忠信が主演の映画で、
外国語映画部門でノミネートされていたカザフスタン映画。

というわけで、これからもお楽しみに。

「モンゴル」http://www.mongol-movie.jp/
「ランジェ公爵夫人」http://www.cetera.co.jp/Lange/
「王妃の紋章」http://wwws.warnerbros.co.jp/ouhi/
「つぐない」http://www.tsugunai.com/
「フィクサー」http://www.fixer-movie.com/
「ジェイン・オースティンの読書会」
http://www.sonypictures.jp/movies/janeaustenbookclub/
「ファクトリーガール」http://www.factorygirl.jp/
「ラフマニノフ ある愛の調べ」http://rachmaninoff.gyao.jp/

★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.783 2008年4月1日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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