現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年03月21日

Vol.777「4ヶ月、3週と2日」★★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_                   __________
  Vol.777「4ヶ月、3週と2日」★★★★   2008.3.6(木)
 ̄                    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   独裁政権下のルーマニアで、友人の中絶を手伝う女子大生が、
   次々と予期せぬ事件に追い込まれていく、最悪の日を描く。

  【2】Michelin
   銀座テアトルシネマでの単館上映。それなりに混んでいる。

  【3】Review
   「ダンサーインザダーク」の現代劇版。その絶望は強烈。

  【4】Column
   誰もがぶつかる、サイアクの日。それは真実を感じる日。

______________________________4 Luni, 3 Saptamini si 2 Zile

これこそ、去年のパルムドール(汗)。ルーマニア映画だそうで。
ルーマニアの映画は、筆者もあまり記憶にありません…うーん。
内容は、独裁政権下におけるルーマニアの人々の生活と考え方を、
どこまでも他人思いの主人公を軸に、皮肉たっぷりに描き出す。

<オフィシャルサイト>
http://www.432film.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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独裁政権下のルーマニアで、ルームメイトの中絶を手伝うことに
女子大生は、面倒くさがりの彼女に代わって、手続に忙しい。
金策にまわり、ホテルを手配し、恋人とのデートを断り。しかし、
事態はさらに悪化し、彼女は次々と犠牲を引き受けていく…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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銀座テアトルシネマでの単館上映です。
満席ではありませんが、中央部はほぼギュウギュウ。

ここは全席指定になりましたので、
やけに混んでいる中央に座るよりは、
端っこの2席並びのところをオススメします。

端っこですが、座席の方向も調整してあるし、
見やすさは真ん中と、あまり変わりません。
隣に人が来ることはまずありませんし、
真ん中にドリンクフォルダもないので、
2席を使って、悠々とすることもできます…。

▼銀座 銀座テアトルシネマ
〜3/8(土) 10:50/13:25/16:00/18:50/21:10〜23:05(終)
3/9(日)〜 10:50/13:25/16:00/18:50〜21:05(終)


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ポイント】★★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★★

>テーマ ★★★★★<
独裁政権下での、一般の人々の軽薄さと無責任を、女子大生の
1日になぞらえて描き尽くしたアイディアは素晴らしい。

>ストーリー ★★★<
物語全体は、単調で一本調子ではあるが、その心地悪さが逆に、
映画として目指しているものでもあり、最後まで胸が詰まる。

>キャスト ★★★★<
すっきりとした東欧美人の主人公が、理不尽を全て受け止めて、
物憂げな表情のまま、夜の闇をさまよう様子が、印象に残る。

>スタッフ ★★★★★<
ある主人公の絶望と転落を、人々の配置、空虚な言動などを通し、
静かに深く、それでいて切実に訴えていくセンスには舌を巻く。

>総評 ★★★★<
さすがパルムドール、という映画でした。
巧みな人間観察とアイロニーは、
きっとフランス人たちの心を捉えたのでしょう。

テーマと展開は、「ダンサーインザダーク」に似ています。
どこまでも純粋で、他人思いの主人公が、
人々のエゴや悪意に巻き込まれて、
最後まで、助けようのない絶望に追い込まれる。

観客は、観ていてとても不愉快になりますが、
それこそが映画の主題であり、訴えなのです。
映画館を出ると、少しホッとするとともに、
何もできない自分たちに、唇を噛みしめます。

別に、涙が出るわけではありませんが、
胸をギュッと締めつける、最高の悲劇です。
心に余裕がある時に、ひとりで観にいくのがいいでしょう。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

サイアクの1日。
それは、誰にでも訪れることがある。

今日はツイてない、と思ったら、
まっ先に、家に帰ることだ。
誰に逢ってもいけない。
用事を足してもいけない。

真っ直ぐ、家に帰ること。
そしてすぐに寝る。それが一番だ。

ルームメイトだからといって、
友だちの不法行為を手伝ってはいけない。
サイアクの日に、そんなことをやっては、
必ず物事は、どんどん悪い方へと転がる。

予約していたはずのホテルに泊まれない。
来るはずの医者が、別の医者だったりする。
用意したはずのカネが、足りなくなったり。

それだけで済めば、いい方だ。
もっと大切なものを、失うことさえある。
サイアクの1日、あなたを助ける人はいない。
むしろ、その日は、あなたを利用されるだけだ。

それでも、恋人だからといって、
無理に他人のパーティに行くのもいけない。
彼らは、あなたに何の興味も関心もない。
恋人は、あなたがいるだけでいいと思っている。

サイアクの日に、場違いの場所に行ってしまい、
他人のつまらない会話を聴きつづける。
きっと、一言一言がシャクに障るだろう。
そこで反論を、グッと飲み込むことになる。

だからサイアクの日は、真っ直ぐ家に帰るんだ。
誰にも逢わず、どこにも寄らず。
とにかく家で、寝てしまうことだ。
布団をかぶって、耳をふさいでしまうのだ。

しかし、サイアクの1日には、
帰る手段さえ、見つからなかったりする。
バスを乗り過ごし、電車に乗り遅れ、
ついには終バスさえ、来るかも分からない。

あなたは、夜の闇をさまよい続ける。
あなたを、助けてくれる人はどこにもいない。
誰もが、あなたを利用しようとしているだけ。

サイアクの出来事があった日に、
よろめいて帰ると、分かるはずだ。

世の中の人が、あなたにどれだけ無関心か。
金持ちも、医者も、友人も、誰もかもが。
あなたのことなんて、これっぽちも考えていないのだ!

そんな真実に気づく前に、家に帰るんだ。
その孤独に絶望する前に、寝てしまうんだ。
そうして、あなたもいよいよ無関心になる。
誰も他人を気に留めない社会がやってくる。

その無関心が、胎児を育てていくのだ。
4ヶ月が経ち。3週間が経ち。2日が過ぎる。
招かれざる悪魔は、あなたの身体を蝕み、
いよいよあなたの自由を奪い、独裁者になる。

例え、胎児を処分したとしても、何も変わらない。
あなたも、誰もかもが、他人に無関心なのだから。
腹を空かせた友人は、またあなたを頼るはずだ。
「何か食わせて」と。あなたなら、どうするだろう。

2008/3/3 銀座テアトルシネマにて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ライラの冒険」…………………………………………

昨年からずっと予告編を流している、流行のファンタジー超大作。
キャストはニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグなど、
とにかく超豪華で、映像もふんだんなCGを用いてスケール大。
…まあ、だからといって、面白いとは限らないのが映画ですが。

で、次回もお楽しみに。次回は明日の予定。
http://lyra.gyao.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

来週以降は、とりあえず以下のような予定。
お気づきのとおり、例によってこの時期は忙しく、
あまり映画を観る時間がないのですが、話題作はいっぱい!

何てったって、ウォン・カーウァイ監督の新作、
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」が公開されます!
アメリカでの撮影!主演はノラ・ジョーンズ!
新たなるウォン・カーウァイの挑戦が楽しみです。

他にも、コーエン兄弟がまたも殺人鬼を描いて、
オスカー戦線に生き残っている「ノーカントリー」や、
スサンヌ・ベアがついにアメリカで撮影したという、
「悲しみが乾くまで」など、面白そうな映画だらけ。

というわけで、これからもお楽しみに。

「アメリカを売った男」http://www.breach-movie.jp/
「スルース」http://www.sleuth.jp/
「ノーカントリー」http://www.nocountry.jp/
「ジェリーフィッシュ」http://www.jellyfish-movie.com/
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
http://www.blueberry-movie.com/
「悲しみが乾くまで」
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/things_we_lost_in_the_fire/


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.777 2008年3月6日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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