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★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年02月05日

メルマガVol.765「ヒトラーの贋札」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.765「ヒトラーの贋札」★★★      2008.1.25(金)
 ̄                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   収容所のユダヤ人たちに、敵国の贋札づくりが依頼される。
   意外な厚遇を受け、彼らは戦争協力とプライドの間で戸惑う。

  【2】Michelin
   日比谷シャンテシネでの単館上映。それなりに混んでいる。

  【3】Review
   設定やテーマは面白いが、主人公の心の動きが難しいかも。

  【4】Column
   誰かを救うためには、死ぬべきか、それとも生きるべきか。

_______________________________________________Der Falscher

ナチ政権下のドイツについて、最近多くの映画が作られています。
この映画もその1つで、今回はホロコーストの収容所のなかで、
ナチが偽札づくりを主導していた、という仕掛けが新しいかも。
今年のアカデミー賞外国語映画部門の、ノミネート作品です。

<オフィシャルサイト>
http://www.nise-satsu.com/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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贋札づくりのユダヤ人、ソロヴィッチは収容所で生き延びていた。
ある日、彼は移送先で思いもよらない厚遇を受ける。彼らには、
敵国紙幣の偽造が任されていたのだ。平和に過ごす彼らだったが、
外では多くの同胞が虐殺されており、プライドは傷ついていく…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日比谷シャンテ・シネでの単館上映です。
それなりに混んでました。週末は満席かも。
いちおうサイトも、参考までに。
http://www.chantercine.com/

▼日比谷 シャンテ シネ
〜2/1(金) 10:35/13:00/15:30/18:10〜20:05(終)
2/2(土)〜 10:55/13:15/15:35/18:10〜20:05(終)


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★
スタッフ  :★★

>テーマ ★★★★<
ナチを憎むべきユダヤ人たちが、戦争に協力させられていた、
という状況の矛盾が生み出す苦悩を、巧みに突こうとしている。

>ストーリー ★★★<
厚遇のなかで、人々が抱いたさまざまな葛藤を描き出しつつ、
失敗が死を意味する緊張感が、それなりに物語をつないでいる。

>キャスト ★★★<
主人公は表情を抑えることで、観客に多くを考えさせてくれる。
他のメンバーについては、ほとんど印象に残らないが…。

>スタッフ ★★<
演出はもう少し、主人公や他のメンバーの葛藤に対する描写に、
整理をつけ、深みを持たせる時間を割いても良かったのでは。

>総評 ★★★<
それなりに面白かったです。短くてすっきりしてるし。

ただ、弱者が強者の戦争に協力するという矛盾を描く、
設定は面白いのに、そこに携わる人々の内面を、
もう少し、深く描いても良かった気がします。

無表情な主人公から、それを読み取るだけでは、
テーマが、あまり他にないものだけに、
なかなか難しかったのではないでしょうか。
演出が変われば、この映画はもっと良くなったかも。


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┃4┃ Column (観おとわったあなたへ)
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戦争は、すべての国民が参加しているように見える。
しかし実際には、そういうものではないだろう。

参戦国のなかにも、戦争反対者はいるだろう。
占領国のなかにも、戦争協力者はいるだろう。
そして、ホロコーストのユダヤ人たちのなかにも、
戦争に協力している技術者たちの、存在があった。

別に、すき好んで協力していたわけではなかろう。
本当なら、協力するように見せかけもできただろう。
機材がある以上は、徒党を組んでしまえば、
ひょっとすると効果的な反乱もできたかも知れない。

しかし、彼らはそうはしなかった。
ナチの指揮官は、彼らの心境を理解していたのだ。
計画をうまく進めるには、それなりの準備が必要だと。

そこでナチは、協力者たちに特別待遇を与えた。
清潔なベッド、まともな食事、そして遊戯施設。
これまでの収容所生活と較べれば、夢物語の世界だ。

こんなまともな生活を、続けられるなら。
悲惨な収容所に戻らなくてもいいのなら。
仕事さえあれば、生きていられる保障があるなら。

誰だって、まともに働き、協力するだろう。
指揮官は、小市民の利己主義をあざとく見抜き、
印刷工である技術者のプライドを、巧みにくすぐり、
対立者であるユダヤ人を、見事に手なずけたのだ。

彼らは笑っていただろう。
小さな人々の変わり身の速さを。
何の力も、反抗もできない、
弱者たちのプライドのなさを。

でも、プライドがないわけじゃない。
本当は、誰もがうちに秘めているのだ。
ただ、それと命を天秤にかけているだけなのだ。

プライドのために、死ぬのは簡単だ。
しかし、死んで本当に同胞を救えるのか?
生きていれば、いつか見返す時も来よう。
例えいまは、プライドを見殺しにしたとしても。

それでも、外の悲鳴や、銃声を聞くと。
彼らの心は、撃ち抜かれてしまうのだ。
抑えつけていた、心の中のプライドまでも。

戦争は残酷だ。それは戦場だけではない。
人間たちが、弱者に対して残酷になる。
そして弱者が、自分に対して残酷になる。
プライドか、命かを、選ぶことになるのだから。

ある者は敵に協力し、ある者はレジスタンスに加わる。
「シャーロット・グレイ」もいれば、「マレーナ」もいる。
どちらを選んでも、それは残酷な生き方だ。
戦争に勝者もなく、敗者もないのは、そのせいだろう。

2008/1/25 日比谷シャンテシネにて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「スウィーニー・トッド」………………………………

奇才ティム・バートン監督が、またまたまたもやジョニー・デップ
に刃物を持たせて、今度は歌わせてしまったという話題の映画。
また奥さんもセットですか。もはやファミリーですよね、彼らは。
そしてデップは見事にオスカーにもノミネート。内容は如何に?

で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。
http://wwws.warnerbros.co.jp/sweeneytodd/


★今後の予定など………………………………………………………

来週は、これに以下の2本の予定。
「ハーフェズ ペルシャの詩」は麻生久美子が初めて、
海外作品に参加したもの。とはいえアジアですが。
「フローズンタイム」は、ファッション系の写真家が、
アーティスティックに撮ったラブストーリー、らしい。

「ハーフェズ ペルシャの詩」http://www.bitters.co.jp/hafez/
「フローズンタイム」http://www.frozen-time.jp/


さて来月は、以下のような予定。

一方で、リドリー・スコットが自信満々だった?
オスカー俳優揃い踏みの「アメリカン・ギャングスター」は、
ほとんどかすりもしませんでした。まあ、常連ばかりだからなあ。

「潜水服は蝶の夢を見る」はフランスの代表作品。
オスカー以外でも、いろいろと好評を得ているようで。
「エリザベス・ゴールデンエイジ」は、前作がケイト・ブランシェットの
出世作であり、今回もオスカーにノミネートされたようで。

ノミネートが発表されると、何だかんだといって、
アカデミー賞に関する話題が増えてくるものです。
というわけで、これからもお楽しみに。

「アメリカンギャングスター」http://americangangster.jp/
「ラスト・コーション」http://www.wisepolicy.com/lust_caution/
「ミスターロンリー」http://misterlonely.gyao.jp/

「歓喜の歌」http://www.kankinouta.com/
「潜水服は蝶の夢を見る」http://chou-no-yume.com/

「君のためなら千回でも」http://eiga.com/official/kimisen/
「エリザベス・ゴールデンエイジ」http://www.elizabeth-goldenage.jp/


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

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ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
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ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.765 2008年1月25日
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posted by Ak. at 16:05| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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