☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.735「ローグアサシン」★★★ 2007.10.12(金)
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【1】STORY
無敵の殺し屋ローグに、相棒を殺されたFBI捜査官が、
彼を追い詰めていくが、ローグはある意図で行動していた。
【2】Michelin
新宿バルト9ほか、品川、豊洲、東映系映画館にて。
【3】Review
普通に面白いドンパチ映画。リアリティは、さておいて。
【4】Column
オリエンタリズムは、決してハリウッドの専売特許ではない。
_____________________________________________Rogue Assassin
得意なカンフーを封印した?と言うジェット・リーなのですが、
今回も役どころは、天下無敵の殺人者らしい。今回は彼を敵役に、
「トランスポーター」などアクションでは定評があるジェイスン
ステイサムが、ジェット・リーを追い詰めるFBI捜査官に。
<オフィシャルサイト>
http://www.rogue-assassin.com/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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存在さえも謎、無敵の殺し屋ローグに相棒を殺されたFBI捜査官。
3年後、ローグが再び登場し、中国系と日本系のギャング抗争に
荷担しはじめたことから、捜査官は復讐の機会をうかがっていた。
一方で、ローグは双方のギャングを裏切りながら活動していた…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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新宿バルト9ほか、東映系でやってます。
都心のシネコンでは、品川、豊洲、お台場くらいで、
けっこう上映館は少ないので、週末は少し混むかも。
この映画は迫力が必要なので、できればシネコンで。
▼新宿 新宿バルト9
〜10/19(金) 10:00/14:30/18:40/22:50/0:55〜2:45(終)
10/20(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼新宿(歌舞伎町) 新宿東亜興行チェーン
11:50/14:10/16:30/18:50〜20:55(終)
※金、土曜日はオールナイトあり。21:10/23:30/1:50〜3:55(終)
▼品川 品川プリンスシネマ
14:00/16:25/18:50/21:10〜23:05(終)
10/20(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
※水、土、日曜は9:25の回あり。
▼豊洲 ユナイテッド・シネマ豊洲
10/13(土) 13:45/16:00/18:15/20:30/23:00〜0:54(終)
10/14(日)〜10/19(金) 13:45/16:00/18:15/20:30〜22:24(終)
10/20(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼銀座 丸の内TOEI1
11:50/14:05/16:20/18:35〜20:30(終)
▼渋谷 渋谷TOEI1
11:20/13:40/16:00/18:20〜20:15(終)
▼お台場 シネマメディアージュ
10/13(土) 17:30/19:50/22:20/0:40〜2:35(終)
10/14(日)〜10/19(金) 17:30/19:50〜21:45(終)
10/20(土)〜 17:40〜19:35(終)
▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
10/13(土)〜10/14(日) 16:55/19:10/21:25〜23:20(終)
10/15(月)〜10/19(金) 12:25/16:55/19:10/21:25〜23:20(終)
10/20(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん
10/13(土) 9:45/14:30/17:30/22:00/0:30〜2:24(終)
10/14(日)〜10/19(金) 9:45/14:30/17:30/22:00〜23:54(終)
10/20(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★
ストーリー :★★★
キャスト :★★★
スタッフ :★★★★
>テーマ ★★<
基本的にドンパチなので、テーマは特にない。日本文化に対する
誤った認識を見ても、その辺を深く考えてないことは分かるはず。
>ストーリー ★★★<
途中で捜査官からローグに主人公が移ってしまい、変ではあるが、
そんなこと感じさせないリズムの良さと、どんでん返しが面白い。
>キャスト ★★★<
基本的には銃撃戦がメインなので、ジェット・リーの強さが、
際だったりはしていないが、クールな存在感は活きている。
>スタッフ ★★★★<
リアリティそっちのけで、多少無茶がある話をうまくつなげ、
典型的なギャング映画と割り切ってリズムに徹した点が良い。
>総評 ★★★<
面白かったです。期待よりも遥かに良かった。
サンフランシスコで日系と中華系のヤクザが抗争する、
っていう設定も、彼らを殺しまくるFBI捜査官も、
すっかり意味不明ですが、そんなリアリティはともかく。
カネと女と銃撃戦、捜査官の家族は泣き通し、
完全に典型的な物語展開も、すっかり割り切って、
大切なのはアクションとばかりに、銃撃戦から肉弾戦、
カーアクションにバイク、爆破テロと、ぼんぼん進む。
最後には、意外とびっくりなどんでん返しもついて、
「なるほど」と感心して、映画館を出ることになる。
最後の最後のオチはイマイチだけど、それも割り切りか。
B級映画としては一級の出来でしょう。スカッとしたければ。
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┃4┃ Column (観おとわったあなたへ)
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この映画には、オリエンタリズムの香りがぷんぷんする。
最近、ハリウッドではアジア系が人気だそうで、
「ラストサムライ」「SAYURI」「硫黄島…」など、
日本文化を扱っている映画も、多くなってきた。
今回は、テロップにも日本語や中国語があしらわれ、
ヤクザの事務所には、垂れ幕に怪しいことわざ?があり、
ステイサムの聞き取れない日本語まで披露されたりする。
何で、いま日本が人気なのだろう。
クエンティン・タランティーノのように、
根っからのファンだというのなら、分かるのだが。
しかも、相変わらずハリウッド映画では、
日本らしい日本文化が描かれることはない。
何だか自分たちの都合の良いように解釈して、
面白そうなところだけ、かいつまむのである。
石橋凌や、ケイン・コスギなど、日本の俳優が、
ハリウッドでも活躍できる場があるのはいいのだが。
それにしても、いいように使われすぎな気もする。
中国人が全員カンフーができるわけではないように、
日本人だって全員がサムライかゲイシャなワケではない。
いつか、彼らにも分かってもらえるのだろうか。
それは、彼らだけの問題ではないように思う。
自分たちの胸に手を当てれば、自分たちも、
いろんな偏見を持って、外国を理解しているかもしれない。
ブラジル人がみんなサッカーが上手いわけではないし、
黒人だからといって、誰もが上手に踊れるわけでもない。
インド人の食卓にはカレーしかないわけではないし、
アフリカではそこらじゅうでライオンが拝めるわけでもない。
みんな、どこかで外国を都合良く解釈している。
そして映画では、その解釈を利用することで、
「ここは日本だ」とか「中国だ」とかをアピールする。
それはきっと、どこの国でも同じことなのだ。
どんな文化にも敬意を払うというのは、とても難しい。
「アメリカ人は本当に日本を理解していない」と憤慨するなら、
時には自分のなかにある偏見も、確かめた方がいい。
2007/10/12 新宿バルト9にて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「パンズラビリンス」……………………………………
アカデミー賞では美術賞や撮影賞などを獲得した映像美の映画。
監督はメキシコ人のギジェルモ・デル・トロ。またトロか…。
元々はホラー映画を撮る人らしく、本作でもダークファンタジー
ということで、不気味な迷宮に少女が迷い込むという話らしい。
で、次回もお楽しみに。次回は来週水曜の予定。
火曜はそろそろ、諦めようかと思ってます…。
http://www.panslabyrinth.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
来週のあと2本は、シリアスな映画が2本だて。
「大統領暗殺」はブッシュ大統領が暗殺されたら?
という架空の設定を元にしたドキュメンタリー風社会派映画。
そして「キングダム…」は、中東でのテロ事件を捜査すると、
9.11後の世界が見えてくる…というこちらも社会派。
いちおうこっちはジェイミー・フォックスらが出演して、
サスペンスっぽくなってもいるようなのですが。
「大統領暗殺」http://www.20071019.jp/
「キングダム 見えざる敵」http://www.kingdom-movie.jp/
さて、今後の予定は以下のとおり。
最大の注目作は「アフターウェディング」。
傑作「しあわせな孤独」に続く、最新作がいよいよ上陸。
さらに11月には前作にあたる「ある愛の風景」も公開に。
監督スサンネ・ビアは、ラース・フォン・トリアーなんて
目じゃない、北欧最高峰の監督として進化を続けているはず。
本誌の読者の皆さんには、ぜひとも期待してほしい方です。
「アフターウェディング」http://www.after-wedding.com/
「クワイエットルームにようこそ」http://www.quietroom-movie.com/
「グッドシェパード」http://www.goodshepherd.jp/
「自虐の詩」http://www.jigyaku.com/
というわけで、これからもお楽しみに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.735 2007年10月12日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
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◎映画のなかの人生、映画のような人生。
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