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★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2007年06月14日

メルマガVol.690「ボラット」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.690「ボラット」★★★        2007.6.12(火)
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  【1】STORY
   カザフスタン人のリポーターが、異文化学習のために、
   アメリカへ行くが、各地でトンでもない衝突を繰り広げる。

  【2】Michelin
   渋谷シネアミューズ、ユナイテッドシネマでの上映。

  【3】Review
   ポリシーを貫く異文化コメディ。ここまでやれば、凄い。

  【4】Column
   あからさまな偏見を見せつければ、良心の核心が見えてくる。

__________Borat: Cultural Learnings ofAmerica
for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan

ゴールデングローブ主演男優賞受賞、アカデミー脚色賞ノミネート、
賞レースでも輝かしい成績を残している、アメリカンコメディ。
カザフスタン人を自称する無茶苦茶なキャラが、全米各地に出没、
そのあまりの破天荒ぶりが、喝采を浴びるあたりがアメリカらしい。

<オフィシャルサイト>
http://borat.jp/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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カザフスタン人のリポーターが、反ユダヤ主義、女性蔑視など、
さまざまな偏見を持ったまま、アメリカへ渡り異文化学習を開始。
臆することなく偏見をぶつけ、羞恥心も外聞もない行動を続け、
周囲の失笑と反感を買い続けながら、彼らは西海岸を目指す。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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渋谷シネアミューズと、ユナイテッドシネマでの上映です。
まあ、アメリカンコメディですから、人は入りませんねえ。
渋谷は小さいスクリーンですが、あんまり迫力は要りません。
お近くの映画館へどうぞ。

▼豊洲 ユナイテッド・シネマ豊洲
〜6/15(金) 15:45/17:45/22:30〜0:04(終)
6/16(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい

▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん
〜6/15(金) 19:15〜20:49(終)
6/16(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい

▼渋谷 シネ・アミューズ イースト/ウエスト
11:00/12:45/14:50/16:55/19:00/21:20〜22:45(終)
※11:00/21:20の回は予告編上映なし
※(月)はヒゲ割引有り


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★★<
徹底して、凝り固まった偏見を披露し、本当は個人に良心などなく、
人はただルールを守っているだけだと挑戦する、すごい映画。

>ストーリー ★★<
いちおう、物語にはなっている。が、展開はいずれも唐突なので、
さすがに2時間は持たなかったろう。75分程度にしたのは正解。

>キャスト ★★★★<
本当は英国人で、ユダヤ系のコーエン(主演)が、羞恥心を捨て、
人々の偏見を暴き出そうとする様子には、執念すら感じるほど。

>スタッフ ★★★★<
これだけリスクを冒して、無茶苦茶ができるのは、この映画が、
ただのオバカではなく、ポリシーを持っているからだと思う。

>総評 ★★★<
コメディとしてはともかく、とにかくすごい映画。
数々の下ネタは、アメリカンジョークだとやり過ごせるが、
自動車にクマを乗せ、会食の場に現れ、不謹慎な発言を繰り返し、
本当に真面目な場をぶち壊していくのは、
笑いながらも、半分は笑えずに、考えさせられる。

もちろん、こんなことをしてはいけないと思いつつも、
人間の良心がいかに薄っぺらく、人々の偏見がいかに根強く、
コミュニケーションというものが、いかに白々しいか、
深く考えさせられる。コメディなのに、奥深い不愉快さだ。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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「放送禁止用語」という言葉がある。
使ってはならない、差別表現というものがある。
その言葉を使うと、誰かを傷つける恐れがあるから、
使ってはいけませんよ、という1つのルールである。

しかし、ボラットはそんなことを知らない。
彼は、なぜか偏見で凝り固まった村社会からやってきた。
彼のルールでは、女性を蔑視し、障害者を蔑視し、
ユダヤ人を蔑視し、隣人までもバカにしたりしている。

だから彼は、何にも臆することがない。
郷に入っては郷に従え、という諺など、どこ吹く風。
彼はアメリカに入っても、その偏見を信じて人に接する。

多くの人たちは、最初は許容の態度を示したりする。
「外国人だから、しようがない」とやさしささえ見せる。
ここは1つ、我慢することも良心だと、自分に言い聞かせて。

しかし、それは本当に良心なのだろうか。
本当に彼らは、外国人と話し合いたいと思っているのか。
彼らを差別することなく、接しているのだろうか。

ボラットは、徹底的に偏見を吹聴し、ルールを破り、
人々が何とか守ろうとする「許容の範囲」を壊そうとする。
すると、終いには彼らは当然ながら怒り出してしまう。

そりゃあ、会食の場に売春婦が現れたら驚くだろう。
会社のパーティに全裸の男が現れても、
いきなり街角で、挨拶代わりのキスをするのも、
愛国心いっぱいの南部で、国歌の替え歌を歌うのも。

けれども、ボラットは大悪党というワケではない。
アメリカを憎んだり、陥れようとしていたり、
周りの人を不快にしようと、何かを仕掛けているのではない。

少なくとも、この映画のなかでは、
彼はけっこう純な人間で、人に裏切られれば哀しむし、
失恋をすれば泣くし、売春婦だろうと仲良くできる。

彼は彼なりに頑張っている。
それを受け入れられない、人々とはなんなのか。
異文化を、違いを「許容しよう」とする、
その良心の正体は、本当は何なのだろう。

例え、言葉遣いを守っていても、
差別表現を使っていなくても、
それだけで、良心を持っているとは言えないだろう。

本当に違いを受け入れて、腹を割って話し合えるのか。
相手が間違ったことをしたら、許すのではなく、
きちんと批判しながらも、分かりあうことができるのか。

きっと主演を演じるサーシャ・バロン・コーエンは、
相当の偏見を受けてきた経験を、見事に昇華させたのだろう。
不愉快なコメディだが、その不愉快さに、思わず唸らされた。

2007/6/12 ユナイテッドシネマズ豊洲にて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「300」…………………………………………………

「シンシティ」では、派手で凄惨なアクションを極めつけた、
フランク・ミラーの原案で、ペルシア戦争を描いた戦争映画。
300人で万単位のペルシア軍と戦ったという、テルモピュライの
戦いにヒントを得て、トンでもないアクション映画になったらしい。

で、次回もお楽しみに。
次回は明日、水曜の予定。
http://www.300-film.net/


★今後の予定など………………………………………………………

金曜はメル・ギブソンの「アポカリプト」の予定。
こちらもマヤ文明を舞台にした、凄惨なアクション映画。
やっぱり、この手の映画がハリウッドの神髄なのか?
http://www.apocalypto.jp/


来週は、サスペンス週間。
ケイト・ブランシェット、ジュディ・デンチと、
名女優が揃い踏みの「あるスキャンダルの覚え書き」。

さらに、バットマンの監督&主演が組んだ「プレステージ」、
そして「セブン」の監督による「ゾディアック」と、
いずれも注目の作品が並んでいます。

「あるスキャンダルの覚え書き」
http://movies.foxjapan.com/notesonascandal/
「プレステージ」http://prestige.gyao.jp/
「ゾディアック」http://wwws.warnerbros.co.jp/zodiac/


今月末は、カンヌグランプリに輝いた、
河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」が注目作。
前作「沙羅双樹」から、どれだけ進化しているのか?

「殯(もがり)の森」http://www.mogarinomori.com/
「サイドカーに犬」http://sidecar-movie.jp/

というわけで、これからもお楽しみに。


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.690 2007年6月12日
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posted by Ak. at 12:06| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
プレステージ、面白かったです。
Posted by ヒロシ at 2007年06月15日 10:47
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