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★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2007年03月16日

メルマガVol.660「ラストキング・オブ・スコットランド」★★☆

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.660「ラストキング・オブ・スコットランド」★★☆
                     2007.3.9(金)
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  【1】STORY
   新任のウガンダ大統領の主治医になった英国人の青年が、
   知らず知らずのうちに暴君と化す大統領に巻き込まれる。

  【2】Michelin
   お台場、池袋、有楽町の3館上映。そんなに混んでません。

  【3】Review
   ウィテカーは凄いが、主人公が愚かだと観る気を削がれる。

  【4】Column
   独裁者の中には、恐怖がある。それは自分のなかの恐怖。

__________________________________The last king of Scotland

「ゴーストドッグ」ほか、どの映画でもひと味違う個性派俳優、
フォレスト・ウィテカーが、ついにオスカーを獲得した話題作。
アフリカを舞台にした、実在の独裁者を演じるウィテカーは、
権力に惑わされてしまった男の孤独と狂気を、見事に演じます。

<オフィシャルサイト>
http://movies.foxjapan.com/lastking/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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刺激を求めてウガンダに来た若い医師が、大統領と知り合う。
着任直後でやる気に満ちた大統領に魅力を感じ、彼は主治医、
やがて片腕として活躍するが、大統領は反政府勢力との戦いや、
思うようにいかない政治に業を煮やし、次第に独裁者へ変貌する。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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台場、池袋、有楽町での3館でしか上映していません。
社会派映画とはいえ、オスカー受賞作なんですから、
この扱いはないんじゃないかな…と思っていたものの、
意外と池袋の1回目も空いていて、肩すかしを喰いました。

そんなもんなんですかねえ…まあ、仕方がないのですが。
一番いいのはシネコンであるメディアージュでしょうか。
スバル座は地の利はあるけど、少々古いからなあ…。
池袋は新しいのですが、この映画は小さいスクリーンでした。

▼お台場 シネマメディアージュ
3/11(日)〜3/16(金) 11:10/14:00/16:50/19:40〜22:00(終)
3/17(土)〜 11:50/14:40/17:45〜20:05(終)

▼池袋 池袋HUMAXシネマズ4
11:10/13:45/16:20/18:55〜21:10(終)

▼有楽町 有楽町スバル座
11:00/13:25/16:05/18:45〜21:05(終)
※11:00の回は予告編上映なし


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★☆

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★

>テーマ ★★★★<
アフリカでの独裁者の形成過程に、欧米人の身勝手な関与と、
社会派ドラマとして、重要なテーマを取り上げている。

>ストーリー ★<
個人的には、主人公が愚かすぎて、全く感情移入できない。
たとえそういうテーマだとしても、サスペンスの魅力は半減。

>キャスト ★★★★<
ウィテカーの存在が、この映画の絶望と、恐怖感を煽っている。
政治的事件がほとんど語られないため、その演技が際だつ。

>スタッフ ★★<
独裁者の肖像を、側近の立場から描く手法だが、この映画では、
どちらが主役だか分からなくなり、中途半端な印象が残る。

>総評 ★★☆<
巷では評価が非常に高く、期待していましたが、
その期待を裏切られたからか、あまり感心しませんでした。

純粋な娯楽映画として、一番の問題は愚かな主人公。
主人公が非常識な行動をとると、観客として引きます。
自ら罠に陥っていくので、何にも同情しないし、恐怖もない。

一方で社会派映画として考えても、独裁者の誕生を描くには、
当時の具体的事件についてはきわめて断片的で、
その真相に深く入りこんでいく、というものではない。

この映画の主人公は、独裁者自身ではないのかも。
彼をからかうような白人たちの、無節操な態度が、
青年医師の愚かな行動になって現れているのかも、
とも思うが、それにしては独裁者の姿が強すぎて、
医師には何の打算もなく、適切な比喩とも思えない。

思うに、独裁者の実像に身近な立場から迫った映画として、
「ヒトラー」があり、同じようにアフリカの悲劇を描いた、
「ホテルルワンダ」「ナイロビの蜂」などもすでにあるので、
これらを事前に観ていた者としては、目新しさがなかったのかも。

ウィテカーの凄さに☆を足すが、個人的には、
他にもいろいろな社会派の傑作があると感じた。
それを知らなければいいのかもしれないが、とても残念。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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権力は人を狂わせる。
これまで、何人もの独裁者が現れた。
国家でも、企業でも、どんな組織においても、
独裁者の存在は、多くの悲劇につながってしまう。

独裁者は一見、理解者のように振る舞う。
独裁者は、あなたを理解しているという。
あなたのために、私は働いているという。

しかし、それは間違いの始まりでもある。
独裁者はあなたにも、私のために働いて欲しいという。
独裁者は、自分とあなたとの違いを許さない。
なぜなら、独裁者はあなたを「理解している」のだから。

独裁者は一見、人格者のように振る舞う。
私は、君を信頼しているという。
君の話なら、いつでも聞こうという。

しかし、それも間違いの始まりである。
独裁者はあなたの話を聞くが、理解はしない。
独裁者はやがて、批判に耳を傾けなくなる。
そして批判する者を、ついにはこの世から消してしまう。

独裁者は一見、普通の人間であり、
そして普通の人間のように振る舞うのだ。
ヒトラーも、スターリンも、誰もがそう。
自分は偉大な政治家だと自認しているのである。

では、独裁者と政治家の違いとは何か?

それは、独裁者のなかにある「恐怖」だ。
他人に与える恐怖ではない。
それは、独裁者自身の怯えである。

この地位を逐われたら、自分はどうなるだろう。
反政府勢力に暗殺される日が、いつか来るかも。
誰かが自分の地位を狙い、そして私の栄光は終わるかも。

独裁者はいつも、恐怖に震えている。
独裁者は誰よりも、自分が偉大ではないと分かっている。
独裁者は本当は、大きすぎる権力を得たと知っているのだ。

でも、だからこそ、その権力を手放したくない!
世界中が言うことを聞き、注目し、快適に暮らせる、
このいまの生活の心地よさから、もう離れられない!

そうして狂気は始まり、やがて暴走し、悲劇に至る。
権力に居座る最大の手段は、よい治世を続けることなのに。
彼はそれができないからこそ、権力と暴力に頼っていくのだ。

独裁者は、理解者であり、人格者にも見える。
でも本当はひとりの寂しい、ちっぽけな人間だ。
若いときには、夢と希望に満ちあふれているのだ。

ただ、ふさわしくない権力を、手にしたがために。
一介の小市民が、数十万の人間を殺してしまうのだ。
それは誰もが、陥るかも知れない甘い罠である。

2007/3/12 池袋ヒューマックスシネマズにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「今宵、フィッツジェラルド劇場で」…………………

先日なくなった、ロバート・アルトマン監督の遺作。とはいえ、
遺作というのは自分では選べないものだったりするのですが…。
しかし遺作にふさわしい得意の群像劇、豪華な俳優陣も揃って、
果たして監督の「ゴスフォードパーク」を凌ぐ出来になりますか。

で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.koyoi-movie.com/


★今後の予定など………………………………………………………

来週は、ベン・スティラーの冒険活劇「ナイトミュージアム」と、
デンゼル・ワシントンのサスペンス「デジャヴ」の予定。
全く正反対の映画ですね…こうして並べてみると。
「ナイトミュージアム」http://www.nightmuseum.jp/
「デジャヴ」http://deja-v.jp/

再来週は、鈴木京香が老け役に挑んで話題になっている、
吉本ばなな原作の「アルゼンチンババア」を観ます。
http://www.arubaba.com/

また、何といってもナンシー・マイヤーズ監督の新作、
「ホリデイ」が今月一番面白いのかもしれません。
キャメロン・ディアス、ジュード・ロウ、
ケイト・ウィンスレットによる恋愛コメディですが…
…おいおい、なんでそこにジャック・ブラックが(笑)。
http://www.holiday-movie.jp/

というわけで、これからもお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


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バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

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ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.660 2007年3月13日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
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