現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2006年11月23日

メルマガVol.628「明日へのチケット」★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.628「明日へのチケット」★★    2006.11.17(金)
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  【1】STORY
   イタリア、ローマ行きの特急列車。車内で繰り広げられる
   悲喜劇の数々を、巨匠たちが叙情豊かに描き出していく。

  【2】Michelin
   渋谷シネアミューズでの単館上映。それなりに空いてる。

  【3】Review
   全体的に小粒な作品集。作品同士の関連は、非常に薄い。

  【4】Column
   列車の旅は楽しいが、実際の車内は、階級社会である。

____________________________________________________Tickets

今年のカンヌは、何とケン・ローチ監督がパルム・ドールに輝き、
非常に驚いたのも記憶に新しいところ。その彼に、二人の巨匠を
加えたヒューマンドラマのオムニバス映画。まあ、カンヌでの
受賞作を観る前に、ケン・ローチに目を慣らしておこうかと…。

<オフィシャルサイト>
http://www.cqn.co.jp/ticket/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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イタリア、ローマ行きの特急列車。出張先から家路を急ぐ教授は、
チケットを手配してくれた美しい秘書を、車内で思い浮かべる。
法事で久々に実家へ戻る男は、母親の横暴に手を焼いている。
サッカーファンたちは、車内でチケットをなくして困惑している。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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渋谷シネアミューズでの単館上映です。
ガラガラかと思いましたが、まだ30人弱は入ってました。
週末だと、もうちょっと入っているのかも知れません。

ここはスクリーンが小さいですから、思い切って前へ。
真ん中よりも左側の斜め席の方が、意外と観やすいです。

▼渋谷 シネ・アミューズ イースト/ウエスト
11:55/14:00/16:30/19:00〜20:50(終)
※11:55/19:00の回は予告編上映なし


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★

<内訳>
テーマ   :★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★
スタッフ  :★★★

まあ、可もなく不可もない出来でした。
巨匠たちのお小遣い稼ぎには、ちょうど良かった?

3つのオムニバス映画のうち、1本目はフツー。
イタリア人監督が短編に出てくると、大方の場合、
幻の女に惑う老紳士が、妄想をめぐらせたりしてますねえ。
お国柄が出るんだなあ。あまりにありがちで半分寝かけた。

ただ、最後にあるオチは全編共通したモノ。
このオムニバスは、3本の物語が重なったり、
テーマや展開が絡んだりは、ほとんどしていませんが、
なぜか共通しているのは「列車では旅よりも現実に出逢う」こと。

2本目のキアロスタミは、なかなか痛切ではあります。
法事でイヤイヤながらも、久々に実家に帰る若い男は、
実際は横暴な母親の御守で、彼はすっかりイヤになっている。

彼は、車内で故郷の人に逢い、そこに郷愁は感じるものの、
やはり母親にはついて行けず、すべてを投げ出してしまう。
不器用な母親は文句を言うことでしか、息子と話ができず、
最後には後悔するものの、時すでに遅し。

呆然としたその表情と、そこに至るまでの過程のなかに、
「ふるさとは遠きにありて思うもの」という一節が見えてくる。
さすが、アジアの巨匠が描く物語は、小さいながらも、
味わい深いところがあり、つまらない話でも印象に残る。

3本目のケン・ローチも、実にケン・ローチらしいもの。
難民の少年にチケットを盗まれた?セルティックサポたちが、
彼らにチケットを渡して、自分たちが鉄道警察に捕まるか、
真実をきちんと話して、彼らが警察に捕まるべきか悩みます。

自分たちをとるか、社会的弱者を救うのか。
この永遠のジレンマこそ、ケン・ローチに必須のテーマです。
今回の脚本も、最近の彼の作品すべてで脚本を書いている、
ポール・ラヴァーティが書いているので、テイストは同じ。

いずれの話も、別にあっと驚くようなところはありません。
けれども、それぞれに印象深く、旅する列車の異世界ぶりと、
繰り広げられるドラマの地味な現実味が、うまく対比されて、
巨匠たちのテイストを味わうには、問題ない内容になっている。

まあ、彼らの作品の一端に触れたい、そんな人に。
映画である以上、特別な何かを手に入れたいような方には、
あまり向いていない、さらりとした小さなオムニバスです。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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列車の旅が好きだ。
国内なら、沖縄以外はすべて列車で行く。
新幹線よりも、ゆっくりと車窓が移り変わる特急が好きだ。
住んだこともない世界に、住んでいる人たちに、想いを馳せる。

しかし振り返れば、列車は階級社会でもある。
自由席、指定席、そしてグリーン車に分かれている。
それぞれに客層は異なり、それぞれに旅の事情もある。
もともと階級社会が根強いヨーロッパでは、なおさらだ。

食堂車に座り、自分を送ってくれた美人秘書に、
ワイン片手にラブレターを考えていた老教授だったが。
ドアの向こうで、赤ん坊に飲ませるミルクもない家族に、
ふとその妄想を打ち切られ、現実に引き戻されてしまう。

故郷へと戻る列車で、故郷に住んでいる少女に逢い、
昔の話をしながら、自らの青春時代を懐かしむ男も。
振り返れば母親が、服を着せろ、コーヒー買ってこいと、
次々と横暴な注文を繰り出して、現実にうんざりさせられる。

チャンピオンズリーグに出場するセルティックには、
何千ものサポーターがチームを追い、ヨーロッパ中を旅する。
今宵も勝利を信じて、ローマに向かう3人のサポたちに、
チケットをねだる難民の家族が現れ、彼らは困惑してしまう。

旅は、自分が住んでいない世界へと旅するものだ。
車窓に映る光景は、そんな世界への移動を味わえる醍醐味だ。
しかし、列車の中は、個々人のフトコロ具合を如実に反映し、
貧しい者たちは自由席で立ち続け、金持ちは豪華な食堂車にいる。

そして旅は、旅する誰もが楽しんでいなければ、
自分だって、なかなか楽しむことができないものでもある。
老教授は思い立って、食堂車で温かいミルクを注文する。
若い男も思い立って、不愉快な母親との訣別を考える。

そしてセルティックサポたちも、自分たちが、
言われもない罪で逮捕されるという恐怖に駆られつつ、
目の前にいる難民たちに、何とか手を差しのべようと努力する。

なぜなら、我ら行く旅、ともに楽しもうではないか。
それが旅ゆく者たちの、旅を楽しむ心意気なのだ。
袖振り合うも多生の縁、同じ列車に乗るのはめぐり合わせだ。

どうせなら同じ地球を旅する、そんな人間同士が、
もっと普段からそんな風に、暖かく手を差しのべられたらいいのに。

2006/11/17 渋谷シネアミューズにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「麦の穂をゆらす風」……………………………………

ケン・ローチ監督が、ついにパルムドールを受賞した話題作。
英国屈指の社会派監督が、長年の懸案であるアイルランド問題に、
その確かな視点と分析力で、痛烈なメスを入れていくようです。
主演には前作でも、圧倒的存在感を見せたキリアン・マーフィ。

で、次回もお楽しみに。次回は火曜の予定。
http://www.muginoho.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

来週のもう1本は、ピーター・チャン監督の「ウィンターソング」。
ヒット映画「ラブソング」にちなんだ名前なんでしょうか?
久々に出る金城武と、ハリホンやお針子のジョウ・シュンが、
これでもか!というくらいクラシックラブロマンスの王道へ…。
http://www.winter-song.jp/


再来週以降は、以下のような予定のつもり。
いよいよ年末には大作映画も待ち受けています。

同じくカンヌをにぎわせた、今敏監督の「パプリカ」。
筒井康隆原作の夢をめぐる物語、アニメーションにすると、
とてつもなくけたたましいファンタジーになったようです。
http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/

渡辺謙が主役を演じる硫黄島の2本目も、凄そうですね。
アメリカ人が日本の精神を描くと、いったいどうなる?
木村拓哉主演の「武士の一分」と並べて考えたいところ。
「硫黄島からの手紙」http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
「武士の一分」http://www.ichibun.jp/

その他、今年は以下のような予定。
「007」の新作も、韓国の大ヒット映画「王の男」も、
そして長編アニメになった「こまねこ」も気になるところ。

「プラダを着た悪魔」
http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/
「007カジノロワイヤル」
http://www.sonypictures.jp/movies/casinoroyale/
「王の男」http://www.kingsman.jp/
「あるいは裏切りという名の犬」
http://www.eiga.com/official/aruinu/
「こまねこ」http://www.komaneko.com/feature/

というわけで、これからもお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
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ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.628 2006年11月17日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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