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★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2006年11月24日

メルマガVol.629「麦の穂をゆらす風」★★★★☆

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.629「麦の穂をゆらす風」★★★★☆ 2006.11.22(水)
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  【1】STORY
   第1次大戦後、アイルランドは英国の植民地支配に抵抗し、
   各地で義勇軍が立ち上がり、横暴な英兵を狙うのだが…。

  【2】Michelin
   シネカノン有楽町で観ましょう。全席指定。やや混みです。

  【3】Review
   植民地支配と極貧の現実を、全編にみなぎる緊張感で描く。

  【4】Column
   戦争にはルールがあり、資金が要り、それが悲劇を重ねる。

____________________________The wind that shakes the barley

ケン・ローチ監督が、ついにパルムドールを受賞した話題作。
英国屈指の社会派監督が、長年の懸案であるアイルランド問題に、
その確かな視点と分析力で、痛烈なメスを入れていくようです。
主演には前作でも、圧倒的存在感を見せたキリアン・マーフィ。

<オフィシャルサイト>
http://www.muginoho.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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第1次大戦後も、アイルランドは英国の植民地支配に抵抗を続け、
横暴な英兵に対して、各地の村人は義勇軍として立ち上がった。
彼らは逮捕即死刑の恐怖と、仲間内の厳しい掟に震えながらも、
勇敢に行動し、ついに共和国の正規軍として認められるのだが…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シネカノン有楽町と、渋谷シネアミューズでの上映です。
スクリーンの大きさや見やすさを考えれば、有楽町にすべき。
ここは現在、全席指定になりましたから、受付はお早めに。
もっとも、週末以外はそんなに混まないと思いますが…。

▼有楽町 シネカノン有楽町
13:20/16:00/18:40〜21:00(終)
※各回入替・全席指定/〜25(土)の18:40の回は予告編上映なし

▼渋谷 シネ・アミューズ イースト/ウエスト
10:30/13:15/16:00/18:45〜20:55(終)
※18:45の回は予告編上映なし


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★★☆

<内訳>
テーマ   :★★★★★
ストーリー :★★★★
キャスト  :★★★★★
スタッフ  :★★★★

なかなか凄い映画でした。
全編に渡る銃撃戦、ゲリラ戦の緊張感。
途中、退屈なことも多いケン・ローチの映画で、
最後の最後まで気が抜けないとは、驚きました…。

アイルランドの独立闘争を描く政治モノではありますが、
この歴史を知らなくても、内容は分かると思います。
平和な村に、英兵が現れ、勝手に村人を殺し、虐待する。
人間の素朴な感情が、彼らの闘争の世界へ観客を引き込む。

この映画は確かに、戦争と政治を描く物語なのですが、
一人のヒーローも、政治家も、軍人も出てこないのです。
毎日を平凡に暮らす、貧しい村人たちが立ち上がる物語。
だから、何も知らない外国の現代人も、彼らに肩入れできる。

彼らの戦いは、英兵が見回る村の中で終始、
緊張感が漂い、いつ殺されるか分からない状況が続く。
途中には逮捕や裏切り、処刑、待ち伏せと、困難ばかり。

残酷な事件があまりに続き、喉も詰まりますが、
やがて共和国の自治が認められると、
より残酷な状況が国内に生まれ、目も当てられません。
貧困と戦争が、次なる戦争を生む悲劇にため息が出ます。

ただ、「ヒーローを生み出さない」演出のためか、
主役である医師の卵にも、具体的な心理描写はわずかです。
彼は滅多に泣き出さないし、本音を語り出したりもしない。

そのせいで、全体的なドラマとしての印象が薄く、
最後の内戦に至る展開で、彼の考えの変遷も見えづらい。
途中で政治論争を繰り広げる一幕があるのですが、
それよりは、彼のもっと個人的な体験が吐露された方が、
考えの変化や、アイルランド問題の根底にある貧困など、
もっと具体的な部分が、伝わったような気がします。

しかしその部分を、キリアン・マーフィが演技で引き受ける。
何を考えているか分からない、けれども信念に燃える、
インテリで、純粋で、多くの困難を切り抜けた独立の闘士。
彼の熱く、そして冷静な視線が、この映画を貫いている。

まともに考えれば、彼は異常な行動をしていることに、
彼自身も気づいている、けれども彼はそれを止められない。
その悲しい矛盾が、最後に悲劇となって具体化するときに、
目頭が熱くならない人は、いないのではないでしょうか。

ずっとケン・ローチの映画を観てきましたが、
ここに来て、本当に急速に良くなりました。
間違いなく彼の最高傑作です。是非観てください。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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目の前の悲劇を、止めるのは何だろう。

目の前で弟が、英兵に殺される。
目の前で機関士が、英兵に殴られる。
みんな、いつ、どこで彼らに絡まれるかと、
冷や冷やしながら、憎々しく思い、生活している。

この哀しみを、止めるのは何だろう。
武力で較べれば、数では相手に叶わない。
それでも彼らは、武器を取るしかないのか?

ロンドンで医師になるはずだった若者は、
そんなのは無駄だと思いながらも、武器をとる。
英兵を襲い、施設を襲い、彼らに圧力をかける。

英兵の反撃も苛烈を極め、無差別に家を荒らし、
村人に銃を突きつけ、乱暴に扱い、傍若無人だ。
義勇軍はやがて逮捕され、拷問され、処刑される。

誰かが裏切り、誰かが密告すれば、多くは一網打尽だ。
だから裏切り者に、義勇軍は厳しい態度で臨む。
戦争にはいつも、過酷なルールがあるのだ。
仲間が仲間を処刑する、すでにそんな矛盾があった。

その上、活動が激化して、彼らはいつも武器が足りない。
結局、彼らは地主や有力者からカネを借り、武器を買う。
貧しい人々が幸せに暮らすための、闘いではないのか?
英兵を追い出せば幸せになれる?それも大きな矛盾だった。

この悲劇を止めるために、武器を手にしたときから、
ずっと彼らのなかには、大きな矛盾があったのだ。
戦争にはルールがある。戦争には資金が要る。
ルールが人間の感情を押し曲げ、資金が闘争の目的を変える。

「本当にそこまでする価値があるのか」

ルールに従いながら、戦い続けた闘士は自問する。
仲間を殺し、地主に味方し、英兵を追い出したって、
結局、貧しい人々の暮らしは変わらない。

英兵を追い出す以上に、私たちが欲しいのは幸せだ。
「せめて人並みに、平凡に過ごせる暮らしが欲しい!」
若い女が嘆いたように、闘いは幸せのためにあったはずだ。
闘いは、人間の尊厳と、生活を守るためにあったはずだ!

でも、戦争にはルールがあって、資金が要る。
武器を手にしたときから、矛盾は始まっていた。
愛する者同士は、やがて広がる矛盾のなかでともに殺し合う。
けれど、武器を手にしなかったなら、英兵は出て行ったか?

この国の歴史は、いまなお続く戦争の悲劇に問いかけている。
いま、目の前の悲劇を止めるのは、何なのだろう?
武器を取ることが果たして、哀しみを止められるのかと。

2006/11/20 シネカノン有楽町にて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ウィンターソング」……………………………………

かつての香港映画ブームをご存じの方には、ピーター・チャンと
「ラブソング」の名前は、いまだに忘れられないもののようです。
そのチャン監督が、似たような名前と内容の映画で復活します。
主演は金城武、ジョウ・シュンら、懐かしい名前も並んでいます。

で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.winter-song.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

来週は、今敏監督の「パプリカ」と、「プラダを着た悪魔」。

「パプリカ」は、海外で名声を確立しつつある今敏監督の新作。
筒井康隆原作の夢をめぐる物語、アニメーションにすると、
とてつもなくけたたましいファンタジーになったようです。
http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/

「プラダを着た悪魔」は、ベストセラーの映画化。
メリル・ストリープ演じる、敏腕だけど鬼そのものの編集長と、
アン・ハサウェイ演じる、盆暗でも憎めない新人編集者が、
徹底して対決し、成長していくという女性向けの青春物語。
http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/


さて、12月にはお正月映画も始まります。
渡辺謙が主役を演じる硫黄島の2本目も、凄そうですね。
アメリカ人が日本の精神を描くと、いったいどうなる?
木村拓哉主演の「武士の一分」と並べて考えたいところ。
「硫黄島からの手紙」http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
「武士の一分」http://www.ichibun.jp/

その他は、だいたい以下のような予定。
「007」の新作も、韓国の大ヒット映画「王の男」も、
長編アニメになった「こまねこ」も気になるところ。

「007カジノロワイヤル」
http://www.sonypictures.jp/movies/casinoroyale/
「王の男」http://www.kingsman.jp/
「あるいは裏切りという名の犬」
http://www.eiga.com/official/aruinu/
「こまねこ」http://www.komaneko.com/feature/

というわけで、これからもお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.629 2006年11月21日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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posted by Ak. at 16:04| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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