☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.625「上海の伯爵夫人」★★★★★ 2006.11.8(水)
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【1】STORY
1930年代の上海。旧貴族ながら水商売で家計を支えている
ロシア女性と、事故で盲人となった男との運命的な出逢い。
【2】Michelin
渋谷ル・シネマ、豊洲、新宿での3館上映。夕方は空いてる。
【3】Review
東洋の「イングリッシュ・ペイシェント」は、号泣必死。
【4】Column
エンターテイメントは、一瞬だからこそ人を酔わせるのだ。
_________________________________________The White Countess
「日の名残り」で有名なカズオ・イシグロの原作がまたも映画化。
今回は大戦前夜の上海を舞台に、社交界での恋愛劇を描きます。
レイフ・ファインズ、真田広之ら、豪華なキャストも加わって、
撮影はクリストファー・ドイル、濃厚な大河ロマン映画の登場。
<オフィシャルサイト>
http://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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1930年代の上海。ロシアの旧貴族だった女は、水商売に出て、
親族と一人娘の生活を支えていた。彼女はある日、盲目の男に
出逢う。彼は最高の社交場をこの街に開くと彼女に打ち明けて、
店の主役になって欲しいと彼女に懇願。ついに店が開くと…。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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渋谷ル・シネマ、豊洲のシネコン、新宿武蔵野館での上映。
混雑状況は、ル・シネマのサイトをご参考に…と思いますが、
更新はいつも遅れてるので、あんまり当てにならなかったり。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/time/
この映画は年配がターゲットらしく、そうなると、
午後よりも午前や昼過ぎの前半に混雑が集中したりします。
筆者も今日水曜に訪れましたが、レディースデーでも、
最初の2回が満席で、後半の2回はけっこう空いてました。
最も、いちばんスクリーンがよくて常に空いてるのは、
豊洲だと思いますので、良かったら行ってみては?
▼渋谷 ル・シネマ
11:10/14:00/16:45/19:30〜22:00(終)
(日)の19:10の回は¥1000均一
▼豊洲 ユナイテッド・シネマ豊洲
〜11/10(金) 11:00/13:45/22:00〜0:26(終)
▼新宿 新宿武蔵野館
〜11/10(金) 10:30/13:10/15:50/18:30〜20:55(終)
11/11(土)〜 10:30/13:10/15:50〜18:15(終)
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★★★
<内訳>
テーマ :★★★★
ストーリー :★★★★★
キャスト :★★★★★
スタッフ :★★★★★
正直、この映画は観にいこうかと迷っていた。
予告編や、キャストなどの情報はともかく、問題はポスター。
明らかに「イングリッシュ・ペイシェント」なつくりで、
このレトロな雰囲気、名前に「上海」、明らかに年配向け。
これは完全に、ベタベタなロマンス映画に違いない。
実際、当時上海にいたんじゃないか?という年代の方々が、
館内には溢れておりまして、この宣伝は当たってるわけで。
でも、観にいったのはそれだけ「日の名残り」が良かったから。
信じて良かった、イシグロさん。そしてアイヴォリー監督。
確かにこれは、戦争を背景にした男女の恋愛劇を描く、
まさしく東洋の「イングリッシュ・ペイシェント」ですが、
同じなのはレイフ・ファインズだけ、かもしれません。
ここにあるのは、ドロドロでベタベタな不倫劇ではないし。
ベースは「日の名残り」と同じく、社会のルールを守り、
決してお互いに一線を越えられない、大人の男女関係です。
苦労に苦労を重ねてきた亡命貴族の女と、元外交官の男。
一人娘への希望を持って生きる女と、何もかも失った男。
男を信じて支えていく女と、空虚な美意識に魅せられた男。
二人の素性を赤裸々に描きながら、当時の上海の世情や、
社交界の豪奢な雰囲気、オリエンタリズムと西洋音楽の融合、
エンターテイメントと、その儚さを映画は濃厚に描いていく。
最後に、ちょっとした映画らしい演出も施した上で。
本当は愛しあっているはずの二人が、引き裂かれていく。
また「日の名残り」みたいな結末になってしまうのだろうか?
それとも今回は?超奥手の大人たちの恋愛に、涙が止まりません。
レイフ・ファインズは、やっぱりこういう映画には打ってつけ。
ヒロインや真田広之はともかく、彼の存在も非常に大きいです。
そして東洋を知りつくしたクリストファー・ドイルの映像美が、
陰陽をつけた描写で、スクリーンに観客を引き込んでいきます。
何か、ここんところ評価が甘い気もしていますが。
やっぱりこれくらい、ちゃんとした大人の恋愛映画を観てほしい。
「相手が死んじゃうの」「どうしていなくなっちゃうんだ?」
なんて、ベタでマンネリでヒステリックな恋愛劇は、うんざり。
そんな言葉にならない感情があって、それを抑えようとして、
けれどもそれが抑えられないところに恋愛劇の感動があるのです。
最後にレイフ・ファインズの気づかいなんて、全く見事。
ああ、こういう格好良さをいまの男性も身につけなくては、ね。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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エンターテイメントとは、まさに一瞬の夢である。
パーティともなれば、人々は歌い、飲み、踊り、騒ぐ。
美しい音楽、華やかな音色、美味しい食事、
そして何よりも楽しい人々が織りなしていく、幸せな笑顔。
それが、エンターテイメントの「空気」を作り出している。
映画館、バー、舞台劇、カラオケ、さまざまなスペースには、
さまざまな「空気」が満ちて、人々を楽しませている。
そしてその人々もまた、その「空気」を生み出しているのだ。
では、究極のエンターテイメントとは何だろうか。
視力を失い、仕事を失い、家族さえも失った男は、
自分を酔わせる何かを、ただひたすらに求めていた。
彼は、自分の店を開くにあたり、細心の注意を払った。
店の内装、メニュー、エンターテイナーたちはもちろん、
用心棒たちの雰囲気から、お店に呼ぶべき客層に至るまで。
「楽しませる空気」を徹底して追求し、人々を酔わせ、
そして自らもまた、大いにその空気に酔っていた。
彼は、最後まで店にとどまり、大いに酔い尽くした。
誰もが上海の悲惨な現実を忘れ、国籍を忘れ、戦争を忘れ。
その場所で、彼もまた悲惨な人生を忘れていくことができた。
その社交場の、重い扉を客たちが押し開いていくまでは。
しかし、扉を開ければ、そこにはまた現実が待っている。
この場の華として、人々から注目を集めている伯爵夫人。
彼女もまた、扉を開ければ、貧乏な家族たちがそこに待っている。
「そんな話はしないようにしよう」と彼は契約をした。
しかし、彼女に激しく言い寄る男を見つけたとき。
彼は大いに酔いながらも、自らが求めている別の世界に気づく。
この扉の外にいても、過去のない幸せを手に入れられたなら。
かつて世界を股にかけ、優秀な外交官として生きた自分。
その才覚と、揺るぎない正義感がまた、彼のなかによぎる。
いつか、それでも彼女は出て行ってしまうだろう。
なぜなら、この社交場は彼女にとっても、はかない夢だから。
いつかその日が来ることを知りつつ、彼女を見つめる男。
そして、その日が来たときも、そっと送り出してしまう男。
ああ、一瞬ではなく、永遠の幸せを探す船旅に出られたなら。
たとえ泥まみれでもいい、もう一度、家族を取り戻せたら。
結局、エンターテイメントは、彼の人生を占領できなかった。
なぜなら、エンターテイメントは一瞬だからこその夢であり、
彼の人生は、それでもまだ、遥かにずっと続くからであり、
そしてそこには、彼を愛してくれる人との幸運な出逢いが、
彼の踏み出すべき一歩を、ずっと待ち続けていたのだから。
2006/11/8 渋谷ル・シネマにて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ウール100%」……………………………………………
岸田今日子と吉行和子が双子?のおばあちゃんを演じる映画。
怪しいタイトルは、編み物が主役の物語らしいから、なのか?
全くよく分かりませんが、新進気鋭の監督が、突飛な発想で、
トンでもなくファンタジックな世界を生み出す作品のようです。
で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.klockworx.com/wool/
★今後の予定など………………………………………………………
来週は、ジム・カヴィーゼルにバリー・ペッパーら、
若手の役者たちと、お決まりの音楽系映像監督が一緒になって、
「SAW」に負けない?サスペンスを目指した「Unknown」と、
再来週にはカンヌ受賞作も公開されるケン・ローチ監督が
参加したオムニバス映画「明日へのチケット」の予定。
「Unknown」http://www.movie-eye.com/unknown/
「明日へのチケット」http://www.cqn.co.jp/ticket/
それ以降は、以下のような予定のつもり。
いよいよ年末には大作映画も待ち受けています。
注目はケン・ローチのカンヌ受賞作「麦の穂をゆらす風」。
同じくカンヌをにぎわせた、今敏監督の「パプリカ」。
渡辺謙が主役を演じる硫黄島の2本目も、凄そうですね。
アメリカ人が日本の精神を描くと、いったいどうなるの?
「麦の穂をゆらす風」http://www.muginoho.jp/
「ウィンターソング」http://www.winter-song.jp/
「プラダを着た悪魔」
http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/
「パプリカ」http://www.sonypictures.jp/movies/paprika/
「007カジノロワイヤル」
http://www.sonypictures.jp/movies/casinoroyale/
「武士の一分」http://www.ichibun.jp/
「硫黄島からの手紙」
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
「王の男」http://www.kingsman.jp/
「こまねこ」http://www.komaneko.com/feature/
「あるいは裏切りという名の犬」
http://www.eiga.com/official/aruinu/
というわけで、今後ともお楽しみに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.625 2006年11月8日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
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