☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.611「記憶の棘」★★★★★ 2006.9.27(水)
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【1】STORY
婚約が決まった女の前に、前夫の名を語る少年が現れる。
最初は誰もが冗談と思っていたが、次第に否定できず…。
【2】Michelin
日比谷シャンテ・シネでの単館上映。けっこう混んでる。
【3】Review
物語の穴を埋めるニコール、そして演出が素晴らしい。
【4】Column
人は、想い出のなかにではなく、想い出とともに生きる。
______________________________________________________Birth
ニコール・キッドマン主演、これまた不可思議なサスペンス。
彼女は意外と変な映画に出ていて、「バースデイガール」や、
「アザース」など、ひどい内容も多いのですが、今回は面白い。
原作はフランス人のキャリエール氏で、内容も実にフランス的。
<オフィシャルサイト>
http://www.kiokunotoge.jp/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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婚約が決まった女の前に、前夫の名を語る10歳の少年が現れる。
最初は家族も女も、悪い冗談だと相手にしていなかったが、
彼がさまざまな過去を語り出すと、嘘とも言い切れなくなり、
次第に女の心は、甦る想い出とともに、戸惑い、乱れていく。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日比谷シャンテ・シネでの単館上映です。
けっこう混んでます。
水曜はレディースデーなので、朝からオバサマ方でほぼ満席。
この分だと、週末もだいぶ混んでるのではないでしょうか。
全席指定ですので、週末は1時間前には受付した方がいいかも。
▼日比谷 シャンテ・シネ : 上映中
10:30/12:35/14:55/17:15/19:35〜終21:30
※10:30の回予告なし
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★★★
<内訳>
テーマ :★★★★★
ストーリー :★★★
キャスト :★★★★★
スタッフ :★★★★
これは久々に、掘り出し物の映画です。
いろいろ欠点はありますが、それらを加味しても、
深い感動を残してくれる、なかなかの傑作だと思います。
テーマや内容は、「まぼろし」に似ています。
亡き夫の過去を、断ち切れない女性の苦しみを、
フランス映画のように、叙情たっぷりに描き出す。
物語のスジはとても単純で、亡き夫の名を語る少年が現れ、
次第に嘘とは思えなくなり、女の心がかき乱されていく。
全体的に具体的なエピソードが少なく、説明は不足気味、
種明かしは唐突であっという間、物語自体には問題が目立っている。
それでも、この映画に5つ星をつけるのは、
それらを補って余りあるほど、演出と演技が素晴らしい。
一人の人物の顔だけを、思い切って長回しに撮りつづけることで、
ひたすらに続く沈黙が、観客の想像力をふんだんに刺激する。
そこに鳴り響いてくるのは、クラシック音楽。
そして、ニコール・キッドマンの苦難に満ちた表情。
彼女の中には、どれだけの過去と想いが甦っているのか。
スクリーンを見つめているだけで、惑いに吸い込まれる気分。
本当に、それだけがすべての映画です。
過去の忘れられない喜びと悲しみを、
人がどのように癒し、乗り越えていくか。
そんなことを考えたことがある人なら、
胸の中にズシンと来る映画になっている。
説明が少ない分、観客もまた試されている。
この映画では、あなたの想像力で、
あなただけの物語と、感動を引き出してください。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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目を閉じれば、想い出はいつも心によみがえる。
目を開ければ、想い出はいつもどこかに消えてしまう。
想い出は、いつも私とともにある。
いまもこうして、どこかで私を見つめている。
いまは亡き人も私のことを、きっとどこかで眺めているのだ。
普段は、そんなことに気づくことはない。
ある時、そんなことに気づかされてしまう。
亡くなった人の墓を訪れたり、手紙を読んだり。
ふとしたきっかけで、人は想い出に気づかされる。
そのきっかけがもしも、人間の姿をしていたら。
あなたはその人を、どう思うだろうか。
いままで、目を閉じるたびに見ていた想い出が、
目を開いても、そこにあると信じるだろうか。
若くして前夫を亡くした女は、新たな幸せの門出にある。
そこに、想い出のなかの前夫が、少年となって現れる。
そして、「こんな結婚は辞めろ」と、彼女にささやく。
こんな運命のイタズラが、許されるだろうか。
彼女のなかにある、さまざまな想い出が甦る。
幸せばかりが呼び起こされ、あのときに戻りたいと願う。
あのとき、失ったものの価値と痛みが、心を締めつける。
たとえ相手が少年でもいい、もう一度やり直せたなら。
女は自分も現実も見失い、彼に夢中になってしまう。
少年は彼だと信じて。いまは亡き、愛した人だと信じて。
やはり彼は、いまもどこかで私を見守っていたのだと信じて!
そんなことは、実際にはありえない。
理性では分かっているが、心が現実を受け入れない。
それは夢だ。悪い夢だ。愛する人が甦るなんて。
でも、どんなに悪い夢でも、人は見つづけていたいのだ。
もう一度、あの想い出のなかに住まうことが出来るなら。
もう一度、あの想い出のなかで生きることが出来るなら。
しかし、どんな夢もいつかは醒める。
人は想い出とともに生きることはできるが、
その想い出のなかで、生きることはできない。
彼女は新しい夫は選べても、亡き夫とはもう生きられないのだ。
目を閉じれば、想い出はいつも心によみがえる。
目を開けばしかし、想い出が甦ることは決してない!
それは当たり前のことだ。
けれども、もしかしたらと考えてしまう。
それがひとたび、現実になったのだからなおさらだ。
もう、帰ることはできないのだ。
もう二度と。失ったものは帰らない。
海辺で泣き叫ぶ女の姿が、ひたすらに私の胸を打つ。
2006/9/27 日比谷シャンテ・シネにて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「ストロベリーショートケイクス」……………………
またもや少女マンガの映画化。原作は魚喃キリコ。知りません。
キャストは池脇千鶴、中越典子、加瀬亮、安藤政信ら、若手揃い。
監督は寡作で知られるという矢崎仁司。実際、筆者も彼の映画を
観たことがありません。と、いろいろ楽しみな要素の多い作品。
で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://www.strawberryshortcakes.net/
★今後の予定など………………………………………………………
来週は「カポーティ」がやってきますね。
筆者は国際線のなかですでに観てしまったのですが、
もう一度、映画館できちんと観ようと思います。
フィリップ・シーモア・ホフマンのオスカー受賞作。
http://www.sonypictures.jp/movies/capote/
他は、フランスのファンタジーサスペンス「奇跡の朝」、
http://www.longride.jp/kiseki/
ツァイ・ミンリャンの最新作「西瓜」の予定。
http://www.tml-movie.jp/
10月はいまのところ、以下のような予定。
ブライアン・デ・パルマが久々に復活するという、
「ブラック・ダリア」が面白いかもしれません。
「ワールドトレードセンター」が、もっと超大作ですが。
韓国で大ヒットしたという「トンマッコル…」も注目作。
素朴なハートフルムービーでは、韓国にかなわないかも。
日本映画で対抗できそうなのは「幸福のスイッチ」か。
沢田研二は、どんな映画でもいい味出してるからなあ。
「ブラック・ダリア」http://www.black-dahlia.jp/
「ワールドトレードセンター」http://www.wtc-movie.jp/
「トンマッコルへようこそ」http://www.youkoso-movie.jp/
「幸福のスイッチ」http://www.shiawase-switch.com/
「サンキュー・スモーキング」
http://www.foxjapan.com/movies/thankyouforsmoking/
「ウール100%」http://www.klockworx.com/wool/
「クリムト」http://www.klimt-movie.com/
「上海の伯爵夫人」http://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/
というわけで、今後ともお楽しみに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.611 2006年9月27日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
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