現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2006年09月20日

メルマガVol.606「LOFT」★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.606「LOFT」★★         2006.9.15(金)
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  【1】STORY
   郊外の新居に越した女性が、隣の建物に怪しい男を発見。
   そこでは大学教授が、千年前の女性ミイラと同居していた。

  【2】Michelin
   シネリーブル池袋、テアトル新宿での上映。空いてます。

  【3】Review
   筋立てが理不尽すぎてついていけない。凄いのは役者だけ。

  【4】Column
   過去は捨てられることなく、ミイラとなって人に取り憑く。

_______________________________________________________LOFT

「回路」「ドッペルゲンガー」に続いて、黒沢清監督の新作は、
やはりホラー仕立て。主演は中谷美紀。共演者にはトヨエツ。
そして連ドラが好評の西島秀俊と、今回もまた豪華メンバー。
新作がヴェネツィアで上映されたり、クロサワブランドだなあ…。

<オフィシャルサイト>
http://www.loft-movie.com/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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郊外の新居に越した女性が、隣の建物に怪しい男がいるのを発見。
そこでは大学教授が、自分で発掘した女性ミイラと同居していた。
ある日、そのミイラを預かってくれと大学教授に頼まれた女は、
もともと体調不良だった上に、やがて幻覚を見るようになる…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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東京ではシネリーブル池袋、テアトル新宿での2館上映です。
池袋では来週までが通常上映で、再来週からはレイトショー。

ま、空いてるってことです。
都合のいい方をお選びになればいいと思います。

▼池袋 シネ・リーブル池袋 : 上映中
〜9/22 11:55/14:10/16:25/18:40/20:55〜終22:50
9/23〜 20:55〜終22:50 ※いずれも最終回は予告なし 

▼新宿 テアトル新宿 : 上映中
11:10/13:45/16:20/18:55


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★

<内訳>
テーマ   :★
ストーリー :
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★

あーあ、黒沢清に戻っちゃったよ…。
「ドッペルゲンガー」が意外と面白かったので、
ホラー映画に戻っても、進歩があるかと思ったのですが。

どうしてこの人は、いつも、
支離滅裂なストーリーテリングしかできないんだろう。
誰か脚本に手を加えてやれよ。観ていて不憫になるほどだ。

どうして主人公が突然、途中で変わるんだよ。
中谷美紀が幻覚を観て、悲劇に巻き込まれるんじゃないの?
その理由は、例のミイラがカギなんじゃないの?

どうしていつのまにか、幻覚に悩む男の話になるんだよ。
中谷美紀の話は、編集者にまつわるエピソードで終わりかよ。
じゃあ、あの幻覚や、最初の体調不良はなんだったんだ?

そこにトヨエツとミイラはどうして絡んでいるんだ?
エピソードをバラバラに並べて、観客に再構成させる、
そういう映画の手法はあるにせよ、これは再構成できない。

だって、再構成するためには、ひとつひとつの場面が、
時間や場所、人物などの関係性で、類推できなきゃダメだから。
それを、この映画は多くの「超常現象」で説明するから、
そんなご都合主義を持ち出されたら、推理のしようがない。

某映画で、超常現象の理由が「宇宙人が来たからです」で、
説明されちゃって、総スカンだったことがあるわけだけど、
まあ、これも同じような類で、観客が物語を消化できない。

なんで、悩めるクロサワの頭の中身と鬱憤を、
スクリーンからぶつけられなきゃいけないのだ。
「回路」から何も変わってない。大変残念。

それでも、2時間なんとか物語をつなげるのは、
何といっても、役者たちが抑制ある演技を続けて、
この映画全体の静けさと、緊張感を保っているからだ。

あと、「回路」と全く同じように、ホラー演出において、
黒沢清はセオリーを持っているので、この点で救われている。
いきなり、怖いモノを見せるのは、ただのグロテスク。

そうではなく、「怖そうな一部」をつねに見せて、
あとは想像させることで、恐怖を増幅する手法は今回も健在。
でも、それだけなんだな…もうダメなんじゃないかなあ。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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この映画では、ストーリーラインがあみだくじのように、
次々とずれていく中で、最後にようやく1つの解釈が出来る。
これは、ミイラという過去を、捨て去る男の話なのだ、と。

最初に、女性作家が幻覚に悩む物語があるが、
いかにも主役の中谷美紀に、騙されてしまってはいけない。
この映画の主役は、トヨエツ演じる教授である。

教授は、郊外の離れで、千年前のミイラと同居している。
大学は、ミイラを展示して、一儲けしようと企んでいるが、
教授は、ミイラを保存処理して、見せびらかすつもりはない。

一方で、教授は別の死体にも悩まされている。
千年前のミイラのほかに、現代のミイラがあるのだ。
別の場所の、別の事件で、自分がミイラを作ってしまった。
教授は、ミイラの発掘者で、保管者で、作製者でもあるかも?

ミイラに取り憑かれてしまっている教授。
ミイラとなって、教授に取り憑いていく女性たち。
彼女たちがミイラとなるのは、「永遠の美貌」を保ち、
「永遠の愛」を手に入れたいがためだと、彼は考える。
(そんな解釈が、現実的かどうかはさておき)

男女が恋に落ちれば、誰もが永遠の愛を夢みるのだ。
その女性の執着心と来たら、想像を超えるものがある。
教授は、そんな女性たちを振り切って、生きてきたのだ。
すると彼女たちはミイラとなって、教授を追いかけてくる。

やめろ!
過去は捨てたんだ!
キミを捨てたのは、オレのせいじゃない!!

教授は叫び、ミイラを壊し、ミイラを焼いて、
何とか、女たちの過去を振り払おうとする。

それでも、ミイラは教授とともにある。
そして、新たなるミイラが教授のそばにいる。
それは、中谷美紀演じる女だ。

彼女が何故、教授に惚れ込むのかは謎だ。
しかし一度、恋に落ちてしまったが最後、
教授がいつか彼女が捨てた瞬間に、女はミイラに変わるのだ。

過去を自分で勝手に背負い込み、
自分を責めながらも、その過去を捨て去れない、
何とまあ、身勝手で孤独な男の話だ。

しかし、過去の恋とはそういうものだろうか?
本当に愛した人ならば、どんな悲劇が待ち受けようと、
永遠の笑顔はミイラにせずとも、心のなかに宿ると思うのだが…。

2006/9/15 シネリーブル池袋にて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ルイーズに訪れた恋は…」……………………………

「ラブアクチュアリー」「キンゼイ」「ミスティックリバー」と、
コメディからシリアスドラマ、サスペンスまで何でもござれ、
大活躍のローラ・リニーがついに主役で、ラブロマンスに挑戦。
年齢を全く感じさせない彼女の魅力で、女性たちを惹きつける?

で、次回もお楽しみに。次回は火曜の予定。
http://www.louise.jp/


★ お知らせ 「配信曜日が変わります」…………………………

突然ですが、また配信曜日を変えようと思っております。
ころころ変わってすみませんが、いろいろ事情がありまして…。

いままでは「月・水・金」でしたが、
来週からは「火・水・金」にさせてください。

すみませんが、よろしくお願いいたします。


★今後の予定など………………………………………………………

さて、来週は日本の恋愛映画も観るつもり。
柳楽優弥少年に沢尻エリカが競演するという、
キャスティングとしては面白いが、内容は知らない映画。
「シュガー&スパイス 風味絶佳」http://sugarandspice.jp/

もう1本は、オダギリジョーがまたまたまた主演、
訳の分からないタイトルがついている謎の映画、
「パビリオン山椒魚」だと思いますが、どうでしょうか。
http://www.pavillion.jp/

それ以降のラインナップは、以下のような予定。
なぜか今度はサスペンスが3つもある。うーん。

「薬指の標本」http://www.kusuriyubi-movie.com/
「記憶の棘」http://www.kiokunotoge.jp/
「奇跡の朝」http://www.longride.jp/kiseki/
「フラガール」http://www.hula-girl.jp/
「ストロベリーショートケイクス」
http://www.strawberryshortcakes.net/

というわけで、今後ともお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
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メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.606 2006年9月15日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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posted by Ak. at 14:47| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>どうして巨匠の息子は、いつも観客不在なんだろうかねえ。

と最後を結んでおられますが
黒澤明とは血縁はありませんよね?
どなたかまた別の方のことをおっしゃってるんでしょうか。
すごく気になるので教えていただけると幸いです。
Posted by umedi at 2006年10月04日 19:43
Wikipediaを確認しましたが、umediさんご指摘の通り、
どうやら私はずっと勘違いをしていたようです。
数年前に、最初に読んだ記事にそのような記述があり、
それをそのまま鵜呑みにしてしまった結果、
いまのいままでそのように認識しておりました。

その記事がどこのどんな記事かは、
すでに失念してしまいましたが、
本件は確認をずっと怠ってきた私のミスです。
申し訳ありませんでした。

私の記事にて、多くの誤解が、
本紙読者の方々に広がってしまったかもしれません。
関係方面はもちろん、率直にお詫びいたします。
申し訳ございませんでした。

上記記事も速やかに訂正させていただきます。
ご指摘有り難うございました。

Ak.
Posted by Ak. at 2006年10月04日 23:33
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