現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2006年07月01日

メルマガVol.578「やわらかい生活」★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_               _____________
  Vol.578「やわらかい生活」★★      2006.7.1(土)
 ̄                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   家族も友人も失った躁鬱病の女が、ネットや偶然を通して
   さまざまな男たちに出逢うが、思うようには近づけない。

  【2】Michelin
   新宿K’sシネマほか。そろそろ上映も終わる頃、かな?

  【3】Review
   内容は「薄暗い生活」である。寺島しのぶと演出は光る。

  【4】Column
   真面目に考えれば、考えるほど、愛することが怖くなる。

____________________________________________It's only talk.

日本の単館系映画では、次々と話題作に出演してきた寺島しのぶ。
その演技力が評価され、いまでは連ドラでも親しまれているようで。
今回の映画は、芥川賞作品の映画化で現代の女性を演じるもの。
メンツはトヨエツ、妻夫木聡などで、他にも豪華共演者多数。

<オフィシャルサイト>
http://www.yawarakai-seikatsu.com/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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家族とも、友人とも死別して躁鬱病になった女は、仕事もせず、
気ままな毎日を送っている。蒲田に引越後、学生時代の友人や、
田舎のいとこ、ネットを通じた知り合いなどと出逢っていくが、
彼女は誰とも打ち解けることができず、次第に病状も変化する。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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首都圏では以下の3館でやってます。
いちばん施設がいいのは、断然新宿だと思います。
ここは最近出来た映画館で、音響も椅子もなかなか立派。

6/10公開だったので、そろそろ上映終了するのかも。
気になる方は、お早めに。

▼新宿 K’s cinema 上映中
10:40/13:20/16:00/18:40〜終21:00

▼渋谷 シネ・アミューズ イースト/ウエスト 上映中
10:30/13:15/16:00/18:45〜終20:55 ※18:45の回予告なし

▼大森 キネカ大森 上映中
10:15/14:40/17:05/19:30〜終21:40


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ポイント】★★

<内訳>
テーマ   :★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

これは、あまり他人にオススメする映画じゃないですね。
そもそも、こういう映画が好きな人は、
自然とニオイをどこかで感じとっていて、
この映画に関する情報源も知っていて、
本誌が取り上げなくても、この映画を観に来ると思います。

逆を言うと、そういうニオイを感じなかったり、
そういう情報源に触れることがない、興味がない方は、
観ない方がいいんじゃないかな、と思える映画です。
旧ユーロスペースのレイトショーで観るタイプの映画だな…。

なぜなら、この映画はとてつもなく「暗い」から。
タイトルから思いつく、ちょっとオフビートで、
のんびりとしたムードを思い浮かべると、まるで違います。
心を病んだ女の、もっと深刻で、出口のない物語なんです。
少なくとも結果的に、このタイトルは、看板に偽りがある。

心を病んだ女は、一見のんびり暮らしているようだが、
その原因となった喪失感を訊かれるたびに、心が殺伐とし、
男と関係を持ちそうになるたびに、近づけない自分に気づき、
そうしたことがあるたびに、常に自分を責めつづけている。

前半は、そんなエピソードがいくつか詰められ、
後半は、かつてから親密だったいとことの関係、
そして二人での闘病生活に、話が完全に移ります。
特に、目的もなかった映画の焦点が、やっと見えてきた、
躁鬱の原点に彼女が立ち戻って、考えはじめるんだな…、
というところで忽然として、物語は出口をぱったりと消す。

何だったんだ、と。
こういうのを観ると、筆者はとてもがっくり来ます。
暗すぎて、むしろ「そんなバカな」と笑ってしまうほど。

その「笑ってしまうほど暗い」を映画化したのが、
「嫌われ松子の一生」となったのであり、
あの映画も他の監督なら、こんな雰囲気になったのでは。
ああ、昨今の日本文学は本当に暗いんだな、としみじみ…。

ただ、寺島しのぶとこの映画の監督は巧い。
ヒステリックに、次々と感情が入り乱れる主人公を、
寺島は時に柔和に、時に暴力的に演じていく。

日常的な風景に、さもカメラが忍び込んだかのように、
さりげなく溶けこんでいく廣木隆一監督の手腕も光る。
特に印象に残ったのは、鉄道や道路などの直線を用いて、
人生における途方もない距離感を感じさせる場面。

と、映画的には確かに、面白いところはあるんですが…。
こういう内容は、ちょっと筆者には向かないですね。
お好きな方々はいると思いますが、自分からはオススメできません。

関係ないけど、この主人公はブログを開設して、
写真までアップロードしたりしているのに、
どうしてフライトをネット予約しないのだろうか…。
どうもネットを「現代風に」映画に取り込もうとすると、
何かおかしな矛盾が目につくんだよなあ、どの映画を観ても。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

哀しみに立ち向かうのは、難しい。
いつ、どこで降ってくるか分からない哀しみ。
毎日、傘を差して生きるわけにもいかないから、
人はその哀しみを一心に浴びて、生きていかねばならない。

父を失い、母を失い、恋人も、友だちも失い。
何で次々と、愛する人々を失ってしまうのか。
きっと、自分にどこか、原因があるに違いない。

真面目な人間ほど、深刻に問い詰めてしまう。
この映画の女は、きっと真面目だったのだ。
そのまっすぐなところがたたって、ポッキリと折れた。
彼女が心を病んだのは、彼女が純真だったからだろう。

こんな自分は、火をつけて燃やしてしまいたい。
彼女はいつも、そう思っていたのだろう。
しかし、そんなことばかり考えていたら、より深刻だ。
彼女は必死で、そこから目を背けようともしていたのだ。

ネットで出逢った男と、痴漢プレイに興じる。
街で見かけた、大学時代の友人に声をかける。
ネットで知り合った男と、デートをしてみたり。
そして、昔、愛した男と、そっと寄り添ってみたり。

ダメだ!
そんなことをしたら、また悲劇の繰り返しだ!!

彼女のどこかで、誰かが叫んでいる。
彼女のどこかで、自分を責める声がする。
また、自分は誰かを愛そうとしているだろう?
愛する人は、必ず自分に殺されてしまうというのに!

誰かを求めながらも、それ以上に近づけない。
自分への恐怖に支配された心に、出口は見つからない。
そんなことをしているうちに、相手だって、
ほら、また他の誰かを見つけているに違いない。

哀しみは、誰と共有することもできない。
理解しているようで、結局のところ、
どんな人間も、他人を完全に理解は出来ない。
「キミの哀しみが分かる」なんて言葉は偽り。

でも、「キミの哀しみを知りたい」気持ちは本物じゃないの?

ずっと理解されなくてもいい。
同じ金魚鉢で、一緒に暮らすだけでいい。
それ以上を求めて、完全に理解しようと思って、
誰かを真面目に愛しすぎてしまうから、
彼女は自分に苦しんで生きてきたのだ。

しかし、それが分かるのはいつのことだろう。
ひとけのない朝の道だけが、彼女の行く手に待っていた。

2006/6/30 新宿K’sシネマにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「カーズ」…………………………………………………

「トイ・ストーリー」「ファインディングニモ」などの傑作で、
大人も楽しめるアニメ映画を世に放ってきた、スタジオピクサー。
オモチャ、怪物、魚、ヒーローときて、最新作の主役はクルマ。
ただクルマを擬人化するのって、絵的には無理っぽいような。

で、次回もお楽しみに。
http://www.disney.co.jp/movies/cars/


★今後の予定など………………………………………………………

さて7月は、夏休みを前に超大作映画がいっぱい!

何といっても一番人気は「パイレーツオブカリビアン」の続編。
ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、
豪華キャストもそのままに、誰もが待っている冒険娯楽大作。
http://www.disney.co.jp/pirates/

あとは誰かがムイミと読んでいた「M:I-3」ですか。
トム君はともかく、悪役ほかが豪華ですからね。
存分にカネも使えば、フツーは面白いと思いますが。
http://www.mi-3.jp/

そして夏休みだけに、アニメ映画が総当たり。
「カーズ」がピクサーの本命だとしてみれば、
スタジオジブリは「ゲド戦記」、そしてその辺に、
意地をぶつけたいワーナーが「ブレイブストーリー」。
どれも大人から子どもまで楽しませるアニメを模索してます。

「ゲド戦記」http://www.ghibli.jp/
「ブレイブストーリー」http://www.bravestory.net/

個人的に期待しているのは、前作「蛇イチゴ」で注目された
新鋭監督、西川美和の新作「ゆれる」なんですけどね。
上記の派手なラインナップでは、地味になってしまうかなあ。
http://www.yureru.com/

というわけで、これからもお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.578 2006年7月1日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
posted by Ak. at 15:34| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(6) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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