☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。
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Vol.572「親密すぎるうちあけ話」★★★ 2006.6.12(月)
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【1】STORY
税理士を訪ねてきた女性が、おもむろに夫との情事を語る。
戸惑う男。彼女は隣の精神科医と部屋を間違えていたのだ。
【2】Michelin
日比谷シャンテシネでの単館上映。今週はやや混みでしょう。
【3】Review
変化に乏しい物語だが、ルコントと役者が上手くカバー。
【4】Column
他人の秘密も、他人への恐怖も、語り合うことで変えていける。
___________________________________Confidences Trop Intimes
そろそろ当たりが来そうな?パトリス・ルコント監督の最新作。
美しい女性が精神科医を訪ね、おもむろに自分の内面を打ち明ける。
ところが彼は医者どころか、何も知らない税理士のオッサン。
いきなり美女が事務所に現れれば、誰だって気が気じゃない…。
<オフィシャルサイト>
http://www.wisepolicy.com/confidences_trop_intimes/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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仕事に忠実でありつづけ、妻には捨てられたばかりの税理士。
ある日、事務所を訪れた美しい女性が、夫との情事を語り出す。
彼女が隣の精神科医と自分を間違えていることに気づいたが、
一方で、彼女との再会を夢みている自分もいるのだった。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日比谷シャンテシネでの単館上映です。
筆者は封切直後の週末に観たので、混んでましたが、
フツーの平日や、来週末くらいには空くのではないでしょうか。
全席指定ですから、気になる方はいちおう早めに来れば、
確実にいい席に座れます。J列近辺が個人的には好きです。
2時間前に受付してしまえば、だいたいこの辺に座れます。
もっとも、シネ1からシネ2になると、事情は変わりますが。
▼日比谷 シャンテ シネ 6/10(土)より
(土日水9:15)11:30/14:00/16:30/19:00〜終21:00
※9:15の回は予告なし
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★
<内訳>
テーマ :★★
ストーリー :★★
キャスト :★★★★
スタッフ :★★★★
とてもフランス的な映画ではないでしょうか。
いい意味でも、悪い意味でも。ルコントらしいです。
設定を読めば分かるように、基本はコミカルです。
いわゆる「エスプリの効いた」と表現されるような、
ルコントらしいセンスある笑いが、時折込められる。
精神科医だと気づかない美女、半ばウェイトレス扱いの秘書、
客はみな患者だと思ってる精神科医、何よりも常に奥手で、
なかなか思い切って変わることのできない、臆病な税理士。
それぞれの設定を巧みに利用し、小さな笑いを拾っていきます。
一方で、物語は何となくサスペンス。
精神科医にかかった美女は、なぜ税理士を訪ねる?
そこには、もっと大きな意図や策略があるのか?
思わせぶりな音楽と、臆病な税理士がそれらしさを加速。
観ていて、なぜかハラハラさせられるのは面白い。
ただし、全体的な展開は非常に変化に欠ける。
だって、女が訪ねてくるのを待つだけだから。
臆病な税理士と同じように、観客も女を待たされるのです。
これだけ動きがないと、フツーは映画として飽きるわけです。
そこを、前述のユーモアやサスペンスタッチで乗り切っていく。
この映画は、最後まで正体を明かさないことで観客を惹きつける。
冒頭の昼メロのように、映画全体が観客を小馬鹿にしている。
でも、それに見事に操られてしまうんだから困ったもの。
男女の心のうちもまた、この映画のように秘密に満ちていて、
サンドリーヌ・ボネールが、次第に大胆な発言と服装になり、
それでもファブリス・ルキーニのように、人は平静を装う。
そんな心理描写の巧みさ、それを映像にしてしまう上手さ、
この辺りもまた、フランス映画の雄、ルコントの腕なんだなあ。
ラストシーンの、あの緊張感は、まさに彼の面目躍如たるもの。
ただ今回は、臆病すぎる税理士と喋りすぎる人妻という、
ちょっと、観ていて入りこみづらいキャラだったことが、
感情移入と深い感動を削いでいるんだと思いますが。
でも、フランスを楽しめる映画だとは思います。あと一歩。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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他人と関わり合って生きるのは、大変面倒なことである。
他人はいつでも、得体の知れない存在である。
他人は、いつどこで、何を考えているのか分からない。
税理士の男は、冒険家を夢みながら、ずっと外に出なかった。
生まれた家で育ち、父親と同じ税理士になった。
父親と同じ秘書を持ち、父親と同じ顧客を相手に、
父親と同じように、毎日決まった時間だけ仕事する。
自分の事務所にいるのに、ネクタイを外すことはない。
昔からの家具は、昔からのままで、自分のものはほとんどない。
趣味は玩具集めで、いくつかは部屋の片隅に飾っている。
彼は事務所を移転しても、同じ家具を同じ配置に置くだろう。
同じ、同じ、同じ。
いつまでも同じ世界に居続けてきた男。
それ以外のものに、興味があるわけでもなく、
興味があっても、どうしたらいいかが分からない。
斯くして、なぜか結婚し、当然のように捨てられ、
それでもその前妻に時々出逢い、利用されている男。
そんな彼のところに、なぜか、美しい人妻が迷い込むなんて!
いきなり、夫との不仲を語り出す女。
隣の精神科医と、自分を間違えているのだ、
と知りながらも、どこかで彼女が気になってしまう。
彼は初めて、他人に興味を持ったのだろうか?
でも、どうしたらいいか、分からない。
人妻は、次第に話をエスカレートさせていく。
夫は不能なのか?夫は性的倒錯者なのか?
彼女も同じなのか?彼女はストレートなのか?
そこには彼女の陰謀が?陥れるような策略が?
臆病者の男は勘ぐり、恐れ、初めての他人を受け入れられない。
それでも、自分は彼女のことを捨てられない。なぜ??
男の苦しみをあざけり笑うかのように、
女はさらに大胆になり、服装は胸元が開き、
シエスタ向けのベッドに横たわり、ランプを消してとねだる。
彼女が誘うたびに彼が見せる、鳩が豆鉄砲を食ったような顔!
その願いに従いながら、決して手を出せない臆病な男。
おい、キミ?!それじゃあいつまでも「同じまま」だ。
それじゃあいつまでも、誰のことも愛せないぞ?!
他人は誰もが秘密を持った、得体の知れない存在だ。
でも、耳を傾けていくたびに、一つずつ謎は解けていく。
謎が解けるたびに、また新たな謎と恐れが浮かび上がるだろう。
でも、それをいつか、楽しめるようにならないと。
大人らしい、永遠の恋をつかむことはできない。
謎と恐れを抱きながら、語りつづけることこそ、
愛しあう二人にできる、たったひとつの愛のかたちになるから。
2006/6/11 日比谷シャンテシネにて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「インサイドマン」………………………………………
「フライトプラン」は見事に転けたジョディ・フォスターですが、
今回の共演者はデンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン。
ただの銀行強盗が、次第に目的を変えていく様子に戸惑う刑事。
最後まで緊張感の漂うサスペンスは、久々にハリウッドらしい?
で、次回もお楽しみに。次回は水曜の予定。
http://www.insideman.jp/
★今後の予定など………………………………………………………
金曜は宮崎あおい主演の三億円事件を巡る物語「初恋」の予定。
昭和史と青春を回想する、ノスタルジックな映画のようです。
宮崎あおいは、いまでは朝の連ドラも無事人気を博して、
やっぱり大物になる子は運がいいのね、と感心してます。
http://www.hatsu-koi.jp/
今月の残りは、だいたい以下のような予定。
「ギルバートグレイプ」以来、注目作を出し続けている、
ラッセ・ハルストレムの新作は「カサノバ」、恋愛物語。
ヒースレジャーは、ゲイから稀代の色男まで、何でもござれ…。
個人的に楽しみにしているのは「プルートで朝食を」。
「28日後…」のキリアン・マーフィが、こちらはゲイとして、
完璧な女装をこなして、ロマンティックなラブストーリーに…。
彼はいい役者になると思うんですけどねえ。どうなのかなあ。
「カサノバ」http://www.movies.co.jp/casanova/
「ステイ」http://www.foxjapan.com/movies/stay/
「やわらかい生活」http://www.yawarakai-seikatsu.com/
「プルートで朝食を」http://www.elephant-picture.jp/pluto/
というわけで、これからもお楽しみに。
★掲載間隔の変更について……………………………………………
えーっと、お知らせです。
いままで原則的には火・木・金でお届けしてきましたが、
筆者の都合により、今後は月・水・金とさせてください。
また、週2本の場合は水曜を休載にしたいと思います。
今後ともどうぞごひいきに。
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!
ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!
★これまでのバックナンバー…………………………………………
バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。
http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)
メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ1年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.572 2006年6月12日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
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