現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2006年05月17日

メルマガVol.558「グッドナイト&グッドラック」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_                      ______
  Vol.558「グッドナイト&グッドラック」★★★2006.5.9(火)
 ̄                       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   赤狩りにより、人々が理不尽に迫害されていたアメリカ。
   報道記者エド・マローは、勇気を持ってその追及を始める。

  【2】Michelin
   TOHO六本木での単館上映。そんなには混んでません。

  【3】Review
   ほぼドキュメンタリーだが、要点はうまく押さえている。

  【4】Column
   真面目であることが笑われるうちに、世界は真実を見失う。

_________________________________Good Night, and Good Luck.

今年のアカデミー賞では見事に(?)助演男優賞を獲得した、
ジョージ・クルーニーの監督第2作目は、同じくアカデミー賞で
作品賞を含めて、6部門にノミネートされたという話題作に。
演技も製作も引っくるめて、彼はオスカーを受賞した??

<オフィシャルサイト>
http://www.goodnight-movie.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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マッカーシー上院議員により、共産主義者と名指しされれば、
例え理不尽でも、社会的に追い詰められていった戦後アメリカ。
誰もが怯えていた時代に、エド・マローらのテレビ報道チームは、
その非人道的な調査を弾劾するという、果敢な報道番組を打つ。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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TOHOシネマズ六本木ヒルズでの単館上映です。
話題作だからか、いつもの狭いスクリーンではなく、
単館の割にはだいぶ大きなところでやっています。

筆者は雨の月曜日に行ったので、意外と空いてましたが、
週末はそれなりに混むかも知れません。
ただ、スクリーンは大きいので(いまのところ)、
満席とかにはならないのでは…?

いちおう、あらかじめサイトで混雑状況を確認してください。
オンライン予約の途中まで進めば、どの辺に座れそうか、
だいたいの見当はつくはずですから。
http://www.tohotheater.jp/theater/roppongi/

▼六本木 TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 4/29(土)より
10:00/12:15/14:30/16:45/19:00/21:15


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★★
ストーリー :★★
キャスト  :★★★
スタッフ  :★★★

ドキュメンタリーですよね、これは。
ほとんど、演出とか組立とかいうものは、
基本的に組み入れないかたちで成り立っています。

当時の報道番組をベースに焼き直した場面が多く、
実際に流れたニュース映像もふんだんに取り入れられ、
新たに製作された部分も、大半はニュース原稿を、
とうとうと読み上げる場面が多く、映画自体が報道のようです。

前作「コンフェッション」でも思ったのですが、
ジョージ・クルーニーの映画は、基本的に、
物語の作り方、進め方はうまくない、というか、
あんまり「なっちゃいない」印象を受けます。

でも、この映画はそれがいい方に転がっている。
今回は、実際にあった出来事がベースになっており、
そういう意味では、強いて物語を作る必要はない。

むしろ、事実をありのままに並べていった方が、
「真実の報道」っぽく、硬派でいいかもしれません。
ドキュメンタリーのように映す方が、現実味がある。

心境の演出や、叫びのような叙情は徹底して排除し、
白黒フィルムを使って、華美な背景や人物もなくし、
ただ、タバコの煙と真実だけが際だてばいいじゃないか。

あえて何もしなかった(できなかった?)ことが、
このように、いい方に転がっていくことはよくあります。
この映画のソリッドな雰囲気は、真実に迫る男たちの逼迫感、
自らの生活を賭けて世界に挑む、彼らの焦燥感を醸し出す。

そういう緊張を90分できちんと片づけて、
すっきりとまとめて、この映画は終わる。
最後のオチも、このテーマの根深さを引き出している。

ただ内容的に、もっと映画のような展開を求めたり、
人物たちの波瀾万丈の物語を肌で感じたい、といった、
そういうセンチメンタルな部分を求めると難しいですね。
政治的な議論や歴史が好きな人には、オススメ。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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真面目であることが、笑われるようになってから久しい。

真面目であることは、堅物であり、面白くない。
真面目であることは、つまらないことと同じで、
そういう人間は、困ったヤツということでもある。

冒頭の講演からして、エド・マローはその典型だ。
どんな講演も、最初は、ちょっとくらいジョークを交え、
観客をほぐし、相手を引き込む工夫をしたりするものである。

だが彼は、いっさいの笑いを排除する。
冒頭から丁寧な「おことわり」を述べた上で、
彼は、批判や論証を力強く並べて、妥協を許さない。

彼は、人々の方を見ているようで、見ていない。
彼は、人々を見る前から、すでに信じているのだ。
どんな人々もきっと、立派な理性を持った人間のはずだと。
だから、正しい言葉を向ければ、必ず反応してくれるはずだと。

だから、マッカーシーのやり方を現前にして、
彼は最初から、確信を持っていたに違いない。
これは間違いなく、批判し、追及すべき事件だ。
誰もが恐れて、あえて口にはしないようだが、
きちんと説明すれば、誰もがその間違いに気づくはずだと。

固い信念さえあれば、人は何を失っても怖くない。
たとえ、生活が危うくなろうと。局がつぶれかけようと。
真実を報道すれば、最後に勝つのは我々だと彼らは信じる。
人間の理性を訴えれば、利益を得るのは社会だと彼らは信じている。

そして、実際にそうなる。
今回、マッカーシーのやり方は明らかに度を過ぎていた。
論拠もなく、証拠もなく、真贋不明の書類や自白だけで、
罪もない人々を陥れていく彼の振る舞いは、ほとんど犯罪だった。
斯くして真実は勝利し、ジャーナリズムは悪に打ち勝つのである。

しかし、これから先も、ずっとそのままでいられるだろうか?
多くの人々は、テレビにエド・マローを求めるだろうか。
彼の生真面目さと信念を、いつまでも歓迎するだろうか?

答えはノーだった。
いつのまにか、報道はテレビの片隅に追いやられ、
その真面目さは、いつのまにか否定的にとらえられた。

それでもマローは人々を見ずに、人々を信じていただろう。
だからこそ、彼は力強く、ジョークも交えずに訴えるのだ。

いま、再びマッカーシーが現れたなら、誰が真実を伝えるのか?
反対者を証拠もなくテロリストと名指しして攻撃するような、
そんな蛮行を、いったい誰が食い止めることができるのか?
しかし、その真面目な訴えはなぜか、人々の心を捉えはしないのである。

2006/5/8 TOHOシネマズ六本木ヒルズにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「戦場のアリア」…………………………………………

アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたフランス映画。
しかし、ドイツとの第一次大戦を描いているため、主役級は、
ダイアン・クルーガーや、ダニエル・ブリュールだったりして、
パッと見はドイツ映画っぽい。仏独の平和をアピールできる?

で、次回もお楽しみに。次回は木曜の予定。
http://www.herald.co.jp/official/aria/


★今後の予定など………………………………………………………

金曜は、ベルリンの金熊賞受賞作「愛より強く」の予定。
社会派のベルリン映画祭だけあって、
かなーりドロドロした内容のようですが…。
http://www.elephant-picture.jp/aiyori/

来週はリュック・ベッソンがようやく?
自分で監督したというフランス映画「アンジェラ」、
江國香織原作を森田芳光監督で映画化した「間宮兄弟」、
そして何より、レイチェル・ワイズがいよいよ、
アカデミー賞を獲得した「ナイロビの蜂」の予定。

「アンジェラ」http://angel-a.jp/
「ナイロビの蜂」http://www.nairobi.jp/
「間宮兄弟」http://www.mamiya-kyoudai.com/

今月は、いよいよ「ダヴィンチコード」が公開に。
その他、「下妻物語」で強烈なインパクトを残した、
中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」や、
いよいよ始まるW杯を前に、サッカー映画を公開、
という意図が分かりやすい「GOAL!」などが面白そう。

というわけで、これからもお楽しみに。

「ダヴィンチコード」
http://www.sonypictures.jp/movies/thedavincicode/site/
「雪に願うこと」http://www.yukinega.com/
「嫌われ松子の一生」http://kiraware.goo.ne.jp/
「GOAL!」http://www.goalthemovie.jp/



★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.558 2006年5月9日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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posted by Ak. at 16:53| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt:  映画「グッドナイト&グッドラック」観てきました。  監督はジョージ・クルーニー、プロデュースは「エリン・ブロコビッチ」などの監督のスティーブン・ソダーバーグ。  「オーシャンズ11」などではジョー..
Weblog: スチャラカランナーの日々
Tracked: 2006-05-18 20:35
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