現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2006年04月12日

メルマガVol.550「放郷物語」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.550「放郷物語」★★★        2006.4.12(水)
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  【1】STORY
   ある田舎町で、卒業していく女子高生たちや、フリーター、
   会話のない夫婦、バス運転手らが迎える、季節の変わり目。

  【2】Michelin
   渋谷ユーロスペースでのレイトショー、明後日まで。

  【3】Review
   独特の映像追求と、素朴なテーマが、よくかみ合っている。

  【4】Column
   いつまでも幸せでもなく、いつまでも不幸せでも、ない。

_____________________________________Throws out my hometown

前作「サマーヌード」が好評だったという飯塚健監督の2作目。
桜の花開く春をテーマに、移ろいゆく人生の情景を綴る群像劇。
那須の雄大な自然を背景に、ちょっとしたユーモアを加えつつ、
綺麗な光の当て方で、役者たちの素直な表情を引き出していきます。

<オフィシャルサイト>
http://actcine.com/houkyo/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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ある田舎町で、卒業していく女子高生たちの実らない片想いや、
会話のない夫婦が迎えた限界、フリーターの男の抱える悶々、
バス運転手が田舎まで来たある理由など、それぞれの人々が、
それぞれの理由で、静かに迎えていく春、季節の変わり目。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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渋谷ユーロスペースでのレイトショーのみです。
今週金曜で終了となるようです。

なんだか今週は毎回トークショーをやっているようで、
私も終了後に残っていましたが、監督や役者さんの話を、
司会の方が全然引き出さないので、けっこう意図不明でした。
新人の編集者でも、もっと質問を考えてくると思うんですが…。

たぶん質問は会場に求められてしまうと思うので、
参加する予定の方は、映画がはじまる前から、
ある程度、質問を考えておけばいいんじゃないですかね(笑)。

▼渋谷 ユーロスペース 4/14(金)まで
21:10〜21:50 今週は毎回終了後にトークショー有


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

なかなか良かったと思います。
日本の新人監督としては、出色の出来でしょう。

最初に、テーマがいいですね。
ポスターやタイトルからして、
女子高生が東京に出て行く話だと思いきや。

実は、田舎町の人々の群像劇なのであって、
東京にはない、穏やかな時間を送る人々の、
それでもやってくる、季節の変わり目というか、
人生の折り返し地点のようなものを描いていく。

幸せも絶望も、決して長くは続かない、
なんてセンチメンタルなテーマなんですが、
こんなものを20代で、さらっと撮ってしまうあたり、
この監督はなかなか、イケテルんじゃないかと期待できます。

群像劇として、物語的な組み立ては特になく、
「クラッシュ」を彷彿とさせるような、
巧みなすれ違いがあったりはしませんが、
この映画は、映像になかなか凝っているようです。

とりわけ、白い光の当て方にはこだわっていて、
どのようにすれば、人物の内面にある気持ちを、
フィルムに焼きつけられるのか、音の入れ方や、
アングルなんかで、試行錯誤しているのがよく分かる。

日本のクリストファー・ドイルを目指すのか、
映像作家というよりは、物語性は今後強くするのか、
まだまだ分かりませんが、途中のユーモアの部分も、
いろんな場面に、可能性を感じさせる演出があって、
観ていて納得させられる1時間半だったと思います。

筆者の中では、とりわけ奥貫薫さんが印象に残りました。
本人と一回だけ、すれ違ったことはありましたが。
本当に綺麗なお母さん、って感じでしたねー。
彼女の手料理を残すなんて、考えられないです、ハイ。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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どんな幸せも、いつまでも続かない。
どんな不幸せも、いつまでも続かないように。

春が来れば、学年は1つ上がる。
3つ上がれば、学校は卒業する。
どんなに離れたくなくても、いまの生活は終わる。
どんなに幸せだったとしても、いい友だちがいたとしても。
学校が終われば、みんな離ればなれになっていく。

春が来れば、新しい社員も入る。
田舎のバス会社に、勤めだした運転手。
早く働いて、新しい生活に慣れないと。
どんなに右折が苦手でも、交差点に来たら曲がらなきゃ。

春が来れば、また誰かが結婚している。
会社を辞めて、フリーターになって、
悶々としているなかでも、友人たちは成長していく。
それとともに、自らへの恥ずかしさは増し、嫌気もさし、
誰だって、最後には奮起するだろう。やらなくちゃ。

春が来れば、また春が来たのかと思う。
長い夫婦生活から、とっくに会話が消え。
手料理の必要もなくなり、話す必要すらなくなり。
何のために夫婦があるのかと、絶望していたとき。
離婚を考えた瞬間に、頭をよぎるモノがある。

いつまでも、いまのままではいられない。
学校も、いつかは卒業する。
会社も、いつかは辞めて、また入り、そして辞める。
夫婦も、ケンカして、仲直りして、またケンカする。

どんな人生にも、何をしていたとしても、
誰にも、いつどこにいても、必ず春は訪れる。

別れの春もやってこよう。
出逢いの春もやってこよう。
花に嵐の例えもあろう。
春よ来いと歌うこともあろう。

自分の郷(さと)を、人はいつか棄て、
そしてまた帰る、それが春という季節。
けれど桜の花は、人生で数十回しか咲いてくれない。

ならば散りゆく花びらの一枚、一枚さえ、
愛おしく、そして楽しんでいくのが、
いつか同じように散りゆく人間たちの、
人生の楽しみ方ではないだろうか。

2006/4/10 渋谷ユーロスペースにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「立喰師列伝」……………………………………………

前作「イノセンス」ではカンヌにも進出したオタク界の巨匠、
押井守監督。しかしその新作は、戦後の食い逃げのプロたち、
「立喰師」をテーマにした異色作。世間の評価を冷笑するように、
奔放な語り口で、ごく一部にしか分からない笑いを振りまきます。

で、次回もお楽しみに。次回は金曜。
http://www.tachiguishi.com/


★今後の予定など………………………………………………………

来週は以下の2本を予定。

「リバティーン」は古き英国を舞台に、
ジョニー・デップが色魔を演じる耽美な作品。
共演はサマンサ・モートン。彼女の映画は見すぎかも…。
http://www.libertine.jp/

「君とボクの虹色の世界」は、女流監督による、
素朴な日常ヒューマンドラマの群像劇らしいです。
カンヌのカメラドールを受賞したらしい。へえ。
http://www.kimiboku.jp/


再来週22日からは以下の3本。
テレンス・マリック、ウォシャオスキー兄弟、
そしてフランソワ・オゾンとそうそうたる面々が、
顔を揃えた豪華な1週間になりそう。

「ニューワールド」
http://www.thenewworld.jp/
「Vフォーヴェンデッタ」
http://wwws.warnerbros.co.jp/vforvendetta/
「ぼくを葬る」
http://www.bokuoku.jp/

というわけで、これからもお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.550 2006年4月12日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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posted by Ak. at 23:32| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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