現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2006年02月20日

メルマガVol.531「クラッシュ」★★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.531「クラッシュ」★★★★      2006.2.17(金)
 ̄                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   人種差別が残るアメリカでは、黒人というだけで避けられ、
   強盗だと思われ、警察がかみつく…ある日のそんな悲劇。

  【2】Michelin
   日比谷シャンテ・シネ、新宿武蔵野館での上映。大混雑。

  【3】Review
   ほぼ完璧な群像劇だが、小さくまとまってしまっている。

  【4】Column
   誰もが過ちを他人のせいに、人種のせいにしたがっている。

______________________________________________________CRASH

昨年のアカデミー賞作品「ミリオンダラーベイビー」の脚本家、
ポール・ハギスが自身の脚本で監督デビューし、今年もオスカー
の有力候補に挙がっています。ブレンダン・フレイザーに、
マット・ディロン、ドン・チードルという濃い目のメンツも話題。

<オフィシャルサイト>
http://www.crash-movie.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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人種差別が厳然と残るロスアンジェルスでは、警官も、法曹も、
黒人を犯罪の温床とみて差別し、黒人もそれを受けて犯罪を犯す。
自動車泥棒の黒人、差別主義者の警官、両者のバランスをとり、
人気をとる検事、テロリストと間違われるペルシア人の家族…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日比谷シャンテ・シネ、新宿武蔵野館での2館上映です。
オスカー候補の映画なのに、このスクリーン数では…。
週末はそう簡単には、入れないでしょうねえ。

観るならやはり、シャンテの方がスクリーンはいいです。
ここは全席指定になりましたから、そうですねえ、
週末は3時間くらい前に来て、チケットを確保すべきでしょう。

平日も2回目までは、満席になっていませんでしたが、
それでも30分前にはチケットをとるべきですね。
3回目以降は…きっと大変だと思います。はい。

▼日比谷 シャンテ シネ 上映中
(2/18・2/19・2/22 9:10)11:00/13:35/16:10/18:45〜終20:55 
2/25〜 14:15/16:50/19:25〜終21:35
※2/25(土)以降、2館での上映。

▼新宿 新宿武蔵野館 上映中
10:50/13:20/15:50/18:20/20:50〜終23:00
※時間変更の可能性あり。


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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★
ストーリー :★★★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

完璧な群像劇だと思います。
正直、ここまで退屈せずに観られる群像劇は、
いままで観たことがありません。凄いです。

差別を受けながらも懸命に生きる鍵屋の男。
テロリストだという偏見に、怒るペルシャ人の商店主。
父の介護をしながらも人種差別をひどくする警官。
嫌悪感を持ってその様子を見つめている相棒。

彼にセクハラされる、通りすがりの黒人夫妻。
差別ばかりの現場に怒る、その夫。
彼らと鉢合わせる、自動車強盗の黒人二人組。

一方で、差別が原因と思われる殺人を負う黒人刑事。
彼に都合のいい捜査を迫る検事。
その妻は、家でずっと孤独を感じている。

これだけ多くの登場人物が次々と現れれば、
普通は物語が散逸して、展開が怠惰になるものだし、
それぞれの物語をつなげて説明するのも一苦労のハズ。

でも、この映画にはそれがない。
「人種差別」というテーマに徹底して迫ることと、
それぞれの人物が、実に巧妙に重なっていく緻密な構成が、
観客を、群像劇の網のなかにうまく絡めとってしまうのです。

次々と繰り広げられる差別と、闘う黒人たちと、
慰める人々と、怒りを押さえられない人々。
罵詈雑言や無謀な行動が次々と続くなかで、
それぞれの人に、それぞれの小さな感動も訪れる。

すごい映画ではあるのですが…ただなあ。
問題は、このテーマを吹っ切るような何かが、
映画のなかに潜んでいる、というわけではないことか。

小さな物語の集まりであるだけに、
感動も小さな物語の集まりにしかならない。
それはそれで、確かにすごいことなのですが、
筆者は、時間をかけて映画を観た後の、
特別な感慨を期待するだけに、何か物足りないなあ…。
やっぱり黒人差別という現実が、日本にはないからなのか。

すごい映画だけど、小さくまとまってしまっている。
それを、どのように評価するかですよね。
小さなダイヤモンドが好きか、大きなエメラルドが好きか、
それは人それぞれですから、どうなんでしょうか。

少なくともオスカーは、大きさが勝負だったりするからなあ…。
このまま行くと、作品賞とかはこの映画ではなくて、
やっぱ「ブロークバックマウンテン」の総取りか…。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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誰の人生も、順風満帆ではない。
誰の人生にも、屈辱はあり、孤独は募る。

でも、それは自分のせいではないと思う。
それは、屈辱を強いる社会のせいであり、
自分たちを差別する、ある人々のせいであり、
そのために、自分は孤独を強いられているのだ。

そんな考えを、大いに勇気づける考えがアメリカにはある。
それが、人種差別だ。
俺たちが不幸なのは、アイツらのせいだ。
そういう当てつけを、簡単にできる理由がこの国にはある。

イスラム系というだけで、テロリストだと侮辱する。
中国人や、メキシコ人を、英語が通じないとからかう。
そして何より、黒人たちを犯罪者集団だと見なしたりする。

この映画にも、そんな悪しき考えの人々はいる。
差別主義者の警察官は、憂さ晴らしに黒人夫妻の車を止める。
大金持ちの検事の妻は、下層労働者というだけで犯罪者と見なす。
そんな検事の下っ端である法曹たちも、黒人への偏見は消えない。

そんな差別のなかで、懸命に生きる黒人たちもいる。
警察官の上司は、差別に目をつむってご機嫌を取る。
刑事として、冷静に捜査を続ける男もいる。
TVプロデューサーとして、成功した男だっている。
鍵屋として、地道に仕事をして家族を愛する男もいる。

一方で、自動車強盗を続ける黒人も、もちろんいる。
だから、人々は黒人への偏見を辞めない。
ほとんどの黒人が、真面目に生活していたとしても、
数名が犯罪を犯せば、「それ見たことか」と思われる。

本当は、誰もがやさしい、いい人かもしれないのに。
そっけない男でも、母親を愛しているかもしれないのに。
差別主義者でも、父親を懸命に支えているかもしれないのに。
とんでもない男でも、誰かの命を助けたりするかもしれないのに。
労働者でも、金持ちを心から助けることだってあるのに。

だってみんな、本当は同じ人間なのだから。

そんな、当たり前のことを人々はいまも忘れている。
そして、頭の中にある民族性で、人々を判断する。
そして、自分の不幸を、勝手に人々になすりつけようとする。
哀しいけれど、自らの過ちを人間が認めるには、
長い、とても長いだけの時が、必要なのかもしれない…。

2006/2/17 日比谷シャンテ・シネにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ウォークザライン」……………………………………

ホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーンの2人が、
そろってアカデミー賞にノミネートされた音楽映画。
音楽界の伝説、ジョニーキャッシュの破天荒な恋物語です。
この映画がダメだと、いよいよオスカーは1点読みになるな…。

で、次回もお楽しみに。次回は火曜。
http://www.foxjapan.com/movies/walktheline/


★今後の予定など………………………………………………………

来週はまた、「北京ヴァイオリン」で涙を誘っていた、
チェン・カイコーによる大作「PROMISE」も良さそうです。
もう1本は、ようやく米国内部でも批判が始まってきた、
イラク戦を描く「ジャーヘッド」にしようと思っています。

・「PROMISE」http://wwws.warnerbros.co.jp/promisemovie/
・「ジャーヘッド」http://www.jarhead.jp/top2.html

再来週以降の予定を以下にあげておきます。
とにかく3月も話題作が多くて…困りましたねえ。
とはいえ今後ともお楽しみに。

2/25〜
「ダイヤモンド・イン・パラダイス」
「アメリカ、家族のいる風景」

3/4〜
「うつせみ」
「シリアナ」
「ナルニア国物語」
「ブロークバックマウンテン」
「ヘイズ」

3/11〜
「かもめ食堂」
「マンダレイ」
「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」

3/18〜
「ウォレスとグルミット」
「SPIRIT」
「ククーシュカ」


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.531 2006年2月17日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2006 Ak. All rights reserved.
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posted by Ak. at 15:01| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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