☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
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Vol.523「ホテルルワンダ」★★★★☆ 2006.1.31(火)
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【1】STORY
ルワンダ内戦前夜、ホテル支配人の男は楽観していたが、
事態は急速に悪化し、ホテルには難民がなだれ込んだ。
【2】Michelin
首都圏ではシアターN渋谷での単館上映。かなりの混雑。
【3】Review
普通の人間が現代のシンドラーに変わるまでを描く傑作。
【4】Column
いつの間にか始まる戦争のなかで、人間に何ができるか。
______________________________________________Hotel Rwanda
各地で内戦が続いてきたアフリカのなかでも、最も大規模で、
恐ろしい虐殺が次々と行われたルワンダ内戦。その悲劇のなかで、
いわゆる「シンドラー」となったホテルマンの努力を描きます。
主演のドン・チードルはこの映画で演技力を広く認められました。
<オフィシャルサイト>
http://www.hotelrwanda.jp/
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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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ルワンダ内戦前夜、ホテル支配人の楽観をよそに民兵が蜂起。
隣人のツチ族を次々と虐殺し、周囲は阿鼻叫喚の地獄に。唯一、
国連軍が駐在するホテルには外国人客のほか、被害から逃れた
ツチ族たちが、安全を求めて次々となだれこんできた。
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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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シアターN渋谷での単館上映です。
2館上映のわりに、なかなかの混雑です。
もともとこの映画はオスカー候補作になった割に、
硬い作品ということで、日本ではお蔵入りの噂もあったのですが、
さまざまな支援を経て、公開までこぎ着けたそうです。
これぞ日本のシアタールワンダ、といったわけでしょうか。
ご苦労には頭が下がります。いい映画で良かった。
>『ホテル・ルワンダ』日本公開を応援する会
http://rwanda.hp.infoseek.co.jp/
>関連記事(毎日MSN)
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/cinema/hitokoto/archive/news/2005/20051109org00m200004000c.html
▼渋谷 シアターN渋谷 上映中
10:30/13:05/15:40/18:15/20:35〜終22:42 〜2/3 11:15/13:50/16:25
※2/3(金)まで、2館での上映。
▼立川 シネマシティ 1/28(土)より
〜2/3 10:00/15:30/20:55〜終23:00
※2/4(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
▼川崎 チネチッタ 上映中
〜2/3 10:40/13:20/16:15/18:55/21:30〜終23:40
※2/4(土)以降の上映時間は直接劇場へお問い合わせ下さい。
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┃3┃ Review (観ていないあなたへ)
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【ポイント】★★★★☆
<内訳>
テーマ :★★★★★
ストーリー :★★★★
キャスト :★★★★★
スタッフ :★★★★
久々に感動で涙する映画を観ました。
現在公開中のなかでは、飛び抜けた作品といえます。
ルワンダ内戦のなかで、虐殺されるツチ族を救った男、
その姿は必然的に「シンドラーのリスト」と比較されるでしょうが、
筆者はこちらの映画の方が上だと思います。
「シンドラーのリスト」のシンドラーは、
商売人だった男が、次第に善人に変わるわけですが、
その過程はややもすると、むしろ美しすぎたきらいがあった。
一方でこの映画のいいところは、最後まで、
ホテル支配人の男は、英雄然としたところがない。
彼は家族や人名を守ろうと必死だっただけで、
慈善家として目覚めたそぶりはほとんど見せません。
また、内戦という舞台が非常に日常感を出している点も、
第2次大戦の時代よりは、現代人に訴えるものがあるでしょう。
平和に包まれていたはずの日常が、突如として戦火に見舞われる。
その臨場感、その普遍性が、観客の目をぐっと引きよせます。
最後まで、支配人がツチ族の人々を救えるのかどうか、
ハラハラする展開が続くので、2時間ちゃんと引っ張ります。
これは物語構成の妙と言うよりも、どちらかというと、
真実の物語を本人から聞き取って、このようになったのでしょう。
真実は小説よりも奇なり、という部分を存分に引き出しています。
あとは、もう少し、内戦の構造についての説明はあるべきかなあ。
何で政府軍が彼らを守るのか、けっこう分かりづらかった。
でも「日常にある戦争」というテーマはよく伝わった。
ドン・チードルもオスカー候補に違わぬ熱演。
この映画は本誌読者には、絶対に観てほしいなあ。
後ろにいた学生たちも、上映前は「ルワンダってどこ?」と、
笑っていましたが、幕が閉じる頃にはみな号泣していました。
どんな人間でも、素朴に持っている感情に対して、
これはストレートに訴える映画なのだと感服。
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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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ルワンダの内戦は、いつのまにか始まっていた。
日常とは、ここまで簡単に壊れてしまうものなのか。
一見、平和に見えているいつもの街並みが、
翌日になって突然、戦火に見舞われている。
昨日、挨拶をしていた隣人や親戚が、
翌日には銃口を突きつけられ、連行されていく。
ルワンダ内戦は、そうして始まった。
誰もが想像もしていない間に、戦争は始まり、
殺戮が行われ、首都は突然、最前線になった。
ホテル支配人の男も、最初は事態を達観していた。
「戦争なんて、起きないだろう」と。
勃発後も、少しの辛抱だと思っていた。
きっと国際社会が、助けてくれるはずだと。
男の漠とした楽観は、瞬く間に崩れ去っていく。
戦争は続いた。いつまでも家に帰れなかった。
国際社会は、彼らを簡単に見捨てて逃げた。
「世界の悪を叩く」と口では大見得を切っているのに。
一流のホテルには、みるみると難民たちがあふれた。
彼らを追い出すことは、簡単だったはずだ。
自分だけ逃げることも、簡単だったはずだ。
でも、彼にはできなかった。
外へ行けば、九分九厘みな殺されるだろう。
自分がその引き金を引くなんて、あまりに重すぎる。
「一流ホテルの品位を怪我してしまった」と、後悔もした。
それでも、彼は難民たちをゲストとして迎えた。
家族を守るように、彼らのこともかくまった。
彼は別に、英雄になりたかったわけでもない。
彼は敬虔なクリスチャンでも、偉大な指導者でもない。
その辺にいる、ちょっと成功したビジネスマンだった。
その彼を動かしていたのは、素朴な思いだった。
もう、殺し合いなんてみたくない。
隣人たちが死んでいくのをみたくない。
親戚の子どもたちが生きているか、死んでいるか。
そんなことを心配しながら、生きていくのは哀しすぎる。
それは、人間なら誰もが持ち合わせているはずの感情だ。
もし誰もが、そんな思いを持ち続けていたなら。
こんな悲劇は起こらなかったはずなのに!
人は成功を重ねていくうちに、
そんな当たり前の気持ちも、なくしてしまうのだろうか。
支配人の男もまた、そんな気持ちをなくしかけていた。
そのことを、皮肉にもこの戦争が教えてくれた。
そしてこの映画が、それを私たちにも教えてくれる。
英雄は選ばれた人間ではない。誰もがなれるものだ。
世界を救うのは、特別な誰かではなく、
愛する気持ちを失わない、普通の人間であることを。
2006/1/31 渋谷シアターNにて。
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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。
★次回予告「スタンドアップ」………………………………………
シャーリーズ・セロンが、夫に捨てられ、親にも信用されず、
まともな仕事もなく、子どもは泣きわめくという、とんでもなく
不幸な境遇に陥った女を熱演します。監督は「クジラに乗った
少女」のニキ・カーロだけに、ヒューマンな感動モノかな。
で、次回もお楽しみに。次回は金曜。
http://www.standup-movie.com/
★今後の予定など………………………………………………………
土曜は、「白バラの祈り」の予定。
「ヒトラー」のヒットに触発されたのか、
この時代に注目をはじめたドイツでは、
ヒトラーに刃向かった女学生の物語が絶賛されているらしい。
http://www.shirobaranoinori.com/
また、来月の注目作は以下のとおり。
今後ともお楽しみに。
>2/6〜
・「単騎、千里を走る。」http://www.tanki-senri.com/
・「オリバーツイスト」http://www.olivertwist.jp/
・「ミュンヘン」http://munich.jp/
>2/13〜
・「クラッシュ」http://www.crash-movie.jp/
・「ジャーヘッド」http://www.jarhead.jp/top2.html
・「PROMISE」http://wwws.warnerbros.co.jp/promisemovie/
★最新情報はブログにて!!…………………………………………
ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/
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ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。
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映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
Vol.523 2006年1月31日
発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
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