現在公開中の作品一覧(首都圏)

★★★★☆「つぐない」
 ★★★★「4ヶ月、3週と2日」
 ★★★★「マイブルーベリーナイツ」
 ★★★☆「モンテーニュ通りのカフェ」
 ★★★☆「マンデラの名もなき看守」
 ★★★☆「愛おしき隣人」
  ★★★「ブレス」
  ★★★「ノーカントリー」
  ★★★「ランジェ公爵夫人」
  ★★★「王妃の紋章」
  ★★★「フィクサー」
  ★★☆「I'm not there.」
  ★★☆「There Will Be Blood」
  ★★☆「ミスト」
   ★★「チャーリーウィルソンズウォー」

今後は「インディジョーンズ」「JUNO」「イースタンプロミス」ほか

2008年07月10日

メルマガVol.806「イースタンプロミス」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


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  Vol.806「イースタンプロミス」★★★   2008.6.18(水)
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  【1】STORY
   病院で少女が命と引き換えに遺した赤ん坊。彼女の日記を
   手がかりに、助産婦がたどり着いたのはマフィアだった…。

  【2】Michelin
   日比谷、池袋での2館上映。週末や水曜は混んでいるかも。

  【3】Review
   しっかりしたマフィア映画。終わりまであっという間。

  【4】Column
   目を背けてきた悪の世界には、目を背けられない悲劇がある。

___________________________________________Eastern Promises

「ディパーテッド」や「アメリカンギャングスター」など、
どうやらノワール映画に復活の兆し。で、いよいよ本物が登場?
そう、クローネンバーグが前作に続いてモーテンセンを起用し、
オスカーでは主演男優賞にノミネートされた、強烈な暴力映画。

<オフィシャルサイト>
http://www.easternpromise.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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病院に運ばれたロシア人少女が、赤ん坊を産み落として死亡した。
助産婦は赤ん坊の家族を捜して、ロシア語の日記を読もうとする。
叔父に翻訳を任せ、彼女は挟んであった名刺の店に行ってみると、
そこにいたのは、ロシアンマフィアたちとそのボスだった。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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日比谷シャンテ、シネリーブル池袋での2館上映です。
けっこう混んでました。水曜や週末は満席かも。
どちらも全席指定なので、早めに受付を済ませましょう。
http://www.chantercine.com/schedule/index.html

▼日比谷 シャンテ シネ
10:25/12:45/15:05/17:25/19:45〜21:40(終)

▼池袋 シネ・リーブル池袋
10:15/12:20/14:25/16:30/18:35/20:40〜22:30(終)
※ 20:40の回は一般・大学¥1200


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★<
マフィアの世界に潜んでいる悲劇と狂気を、一般人の価値観と
対比しながら、冷静にあぶり出す。地味だがしっかりした内容。

>ストーリー ★★★<
とりわけドラマティックな展開はないが、全体を覆う緊張感が、
時間の流れを感じさせない。いくつかの伏線と種明かしも上手い。

>キャスト ★★★★<
モーテンセンの落ち着いた姿勢が、逆に映画の怖さを増している。
ワッツの爽やかな存在感も、きれいに対比を導いていて良い。

>スタッフ ★★★★<
わざわざロシア語を使ったり、もちろん過激な描写に挑戦したり、
徹底してオリジナリティを追求する姿勢が、随所に感じられる。

>総評 ★★★<
きちんとしたノワール映画、という感じです。
いつ、誰が、暴力を生みだし、殺されるか、
そんな緊張感が、全編にみなぎっています。

一般人であるナオミ・ワッツを間に挟むことで、
ヴィゴ・モーテンセンのいる悪の世界が、
いっそう恐ろしいものに見えてくるのが、面白い。
ただ、抗争を繰り広げるだけじゃつまらない、と。

いくつか伏線を張って、最後に真実を明かしたり、
物語的にも、いろんな工夫が仕掛けてあって、
時折、本当に壮絶な場面を描くことで迫力を増す。

やっぱり、クローネンバーグの映画は、
観ていて気持ちがいいものが多いですね。
気持ちが悪い場面を、どんどん見せることで、
「自分らしさ」「新しさ」をいつもアピールしてくる。
もっとも、それが失敗したときもありましたが…。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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多くの人は、本当のマフィアの世界を知らない。
カタギの世界で生きる以上、知るはずもないし、
これからも、真実を知ることはないだろう。

しかし、それは厳然としてそこに存在している。
日本にも、古くからのヤクザ社会が間違いなくある。
多くの人々は、その世界を知らないだけであって、
私たちが同居しているその存在を、感じないだけである。

ところが、あるきっかけで気づくことがある。
人々の世界が、その狂気と隣接していることを。

ある病院の助産婦が、救急患者の出産を手伝う。
母親は命を失い、カワイイ赤ん坊だけが遺される。
親族の手がかりになるのは、1冊の日記だけ。
それも、ロシア語。翻訳しなければ読めないものだ。

挟まれた名刺からたどり着いた、1軒のレストラン。
それは何の変哲もない、ロシア料理屋である。
出てきた支配人は、人の良さそうな老人であった。
ガラの悪い運転手も、意外と親切なことを言う。

だが、日記の内容は明らかにおかしい。
ロシア人の叔父が翻訳すると、警察を呼べという。

そこにあるのは、虐待と犯罪の数々。
無垢なロシアの少女が、夢を見て母国を飛び出し、
残酷なロシアのマフィアに、人生を奪われるまで、
その悲惨な顛末が、赤裸々に描かれていたのだった。

これを持っていては、命がない。
警察に差し出しても、安全は保証されない。
やがて家をつけられ、仕事場にまで現れ、
彼らは確実に、その正体を現し、生活を脅かす。

その向こうには、多くの悲劇が見えているのに。
人生を奪われた人々の、哀しみが山積みなのに。
すぐそばにいる私たちには、何もできないの?!

何もできないのだ。
カタギの人々とは、違う世界なのだ。
同じ世界だと思って、乗り込んでは、
絶対に生きていくことができない場所なのだ。

どんなに冷静に、振る舞っていようと。
どんなに力強く、頭のいい人間であっても。
その世界に乗り込めば、一瞬の隙でも命が危うい。

彼らは、他人を利用し、他人を陥れ、
自らの利益を得ることしか頭にないのだ。
味方だと思わせて、簡単に人が裏切る。
敵だと思っていても、うまく味方に引き込まれる。

多くの人々は、その世界から目を背けてきた。
その世界には、目を背けてはならない悲劇があるのに。
いまも二つの異質な世界は、互いに背を向けながら、
存在を感じさせることなく、静かに同居を続けている。

2008/6/18 シネリーブル池袋にて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「JUNO」……………………………………………………

数館での上映から、いっきに脚本賞でオスカーを受賞した話題作。
若い子が、望まぬ妊娠から一気に家族愛に目覚めてしまう内容は、
最近のドラマでは流行りかなあ。主役は前作で素質を示していた
エレン・ペイジ。監督の前作は「サンキュースモーキング」ですね。

で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。
http://movies.foxjapan.com/juno/


★今後の予定など………………………………………………………

いよいよ、今週末から始まります。
「インディジョーンズ クリスタルスカルの王国」。
ディズニーシーで、さんざん乗り倒した人も、
いったいどんな話なのか、そもそも気になっていたはず。
http://www.indianajones.jp/

あとは、是枝監督の新作「歩いても歩いても」、
ポール・ハギスがまたもオスカーを照準にした
「告発のとき」くらいが、注目作ですかね。

というわけで、これからもお楽しみに。

「ぼくの大切なともだち」
http://www.wisepolicy.com/mon_meilleur_ami/
「西の魔女が死んだ」http://nishimajo.com/
「歩いても 歩いても」http://www.aruitemo.com/
「告発のとき」http://www.kokuhatsu.jp/


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
http://filmandlife.seesaa.net/

※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check!

ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、
小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
ぜひぜひアクセスしてください!!


★これまでのバックナンバー…………………………………………

バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、
それぞれ以下のページをご参照くださいませ。

http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ)
http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ)

メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。
ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ)


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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.806 2008年6月18日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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posted by Ak. at 14:05| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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